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ひとごろし



 福井藩士双子六兵衛(松田優作)は、藩内で臆病者と言われ嫁の来ても無く、妹にも縁談が来ないありさまであった。その頃、藩主が招き入れた武芸指南役仁藤昂軒(丹波哲郎)に嫉妬する、藩士たちが闇討ちを行うが返り討ちにあってしまう。怒った藩主は上意討ちを命じ、臆病者の汚名をそそぐために六兵衛が追っ手として願い出る。

 なかなか異質な時代劇です。松田優作さんの月代姿の侍。それも、いつもびくびくしている臆病者で、松田さんのハードボイルドの匂いを掻き消した役柄で、いつもビビッている松田さんを見ることは、そうそうないでしょう(口調も現代語風)。一方、上意討ちの相手は丹波哲郎さん。こちらは、いつもの通りの落ちついて臆することない強い剣豪役で、松田さん演じる六兵衛とは正反対の世界の人間です。このような真逆の人物が上意討ちで相対するわけですから、まっとうな戦い方にはなりません。なんと、六兵衛が取った秘策とは、「ひとごろし」と昂軒を指差し、周りのものをびびらせ、昂軒に宿もとらせず、食事もままならない状況に追い込む、心理作戦。卑怯ものと罵られても自分にはこれしかないと突き通します。ですから、まともな斬り合いシーンなどはありません。このまま、この展開がずっと続くのかと、ちょっと飽きを感じたところで、旅籠女主人おようの登場。最初は困っている昂軒を宿に泊めましたが、六兵衛の話しを聞いて、上意討ちの手伝いをするために一緒に旅に出てしまう。およう役の高橋洋子さんが、気の強い女性でいながら、六兵衛に惹かれていく様も忘れていません。そして、ラストの方になると意外と六兵衛が成長して、びくつき感が減って、いつもの松田さんのドスのきいたぼそぼそ節が聞け、意外な結末を迎えます。この原作は山本周五郎さんの作品で、なんとコント55号で「びっくり武士道」のタイトルで映画化されていたり、植木等さんや渡瀬恒彦さんが六兵衛を演じるテレビドラマにもなっている有名な作品だったのですね。

1976年作品。82分。
・出演:松田優作、丹波哲郎、高橋洋子、五十嵐淳子、岸田森、桑山正一
・監督:大洲斉
・音楽:渡辺宙明
・原作:「ひとごろし」山本周五郎

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