ポテチ



 空き巣の今村(濱田岳)は、プロ野球選手尾崎の家に忍び込み、くつろいで野球を見ていた。そこへ、助けを求めるかのような意味ありげな女性からの電話が掛かってくる。今村は、尾崎の代わりに彼女を助けようと決心する。今村は尾崎と同じ地域出身で、誕生日そして生まれた病院も同じで、熱狂的な尾崎ファンであった。そして、今村が女性の所へ顔を出すと、女性はしつこい男性に付きまとわれて困っていることを告げる。そこにその男の車が到着して今村が男に所に詰め寄ろうとすると、突然女性は逃げ出し、男の車も急発進して逃げ出す。なにか裏があると感じた今村は、探偵の黒澤(大森南朋)の助けを借り調査を開始する。

 「アヒルと鴨のコインロッカー」、「フィッシュストーリー」、「ゴールデンスランバー」に続く、原作伊佐幸太郎氏+中村義洋監督作品の1つです。舞台は今までの作品でもロケ地に選ばれた同じ仙台。音楽は過去2作品に続き斉藤和義さん。そして主役は、過去3作品に出演した濱田岳さん。と全てが揃い、あの独特な雰囲気と間を持ったサスペンス(?)+ヒューマンドラマが再び登場です。
異常なほどプロ野球選手尾崎ファンの今村が、尾崎宅に忍び込み何かを取るわけでもなく、筋トレマシンを使ってみたり、尾崎が所属する野球チームのテレビ放映をソファーで見たりと、くつろぐ。その横には同棲相手の若葉が不思議そうにその仕事ぶりを見ているが、そこへ突然の電話コールで飛び上がるほどに驚く二人。さらに、留守電話に吹き込まれてゆくのは、女性から助けを求める声。一瞬の間の後「よし、忘れよう」と一度は声を出すものの、そのまま電話の女性のもとに向かってしまう二人。実は電話コールの後に、別のエピソードが挿し込まれ、彼女を助けようとする理由が描かれます。ここまでは、困っている女性を助ける正義(?)の空き巣の話となりますが、この女性が突然逃げ出したことから、ちょっとだけサスペンスモードへと展開。ここに、空き巣今村とプロ野球選手尾崎との不思議な繋がりと真実を絡ませ、今村の尾崎「愛」の理由が明らかになっていきます。

 空き巣今村には濱田岳さん。彼の相反する淡々と熱いが融合した喋りかたが、いつもながらいい味出しています。なにをやってもダメな人間だったなんて思えない行動力と熱い男、そして優しさを兼ね備えた人間像もいいですね。突然、「凄いことに気付いてしまったんだけど」と言って、学校で習う当たり前の法則に気付く鋭さもあります(知らなかったの?と周りの人間は唖然としますが)。そして、今村の彼女若葉には木村文乃さん。綺麗ですね。でも平気な顔で中年オヤジが話しそうな下ネタを喋って男共を引かせたり、「ぶっとばすよ」が口癖のギャップがなかなかいい。それでいて、今村を見る優しい目の女性らしさ。腹が立ったらお腹が空いてポテチ(ノリ塩味とコンソメ味)を食べる2人の掛け合いもなかなか。この2人を見守る頼りになる空き巣兼探偵黒澤に大森南朋さん。表情を変えずに喋るが、人を脅すときには、笑みを交えながら淡々と事を進めてゆく怖さがあります。そして中村義洋監督が役者として登場しています。役は空き巣今村のボス。ちょい役ではなく、今村と若葉を取り持つ重要な役柄。そしてエンディングロールの中でも、最後を締める重要な役柄で登場します。そして中村義洋監督の重要なスローモーションシーンのバックを通る女性は、竹内結子さんですね(3秒間のエキストラだそうです)。

 サスペンス性は低く流れは直ぐに分かってしまいますが、中村監督らしい今村(濱田)と若葉(木村)と黒澤(大森)の淡々とした3人の掛け合いと、今村のある思いを達成させるため陰ながら進むストーリーが楽しめました。

【予告編】

 2012年公開。68分。
・出演:濱田岳、木村文乃、大森南朋、石田えり、松岡茉優、阿部亮平、中林大樹
・監督:中村義洋
・音楽:斉藤和義
・主題歌:「今夜、りんごの木の下で」
・原作:「ポテチ」伊坂幸太郎


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