花とアリス殺人事件



 親の離婚で転校して来た中学3年の有栖川徹子(蒼井優)は、床に魔方陣のような結界が書かれた埃をかぶった教室の真ん中の席に座ることになる。クラスメートは奇妙な視線を浴びせるだけで決して話しかけてこない。ある日、昔、同じバレエ教室の通っていたふーちゃんが話しかけてきて、一年前にあの教室でユダがユダの四人の花嫁の一人に毒殺されたという噂を聞く。そして、そのユダの席は、徹子が今座っている席であった。そして、徹子は真実を知るために、そのクラスの一人であった隣の家の引きこもりの花(鈴木杏)を尋ねる。

 「アリス」蒼井優さんと「花」鈴木杏さんが一人の記憶喪失の少年との青春劇を繰り広げ、蒼井優さんの制服でのバレエシーンが印象的な「花とアリス」の前日譚アニメです。「殺人事件」という重々しいタイトルが付いていますが、中学生のユダがユダの四人の花嫁の一人から毒殺されたという学校都市伝説のような噂を、たまたまたま転校してきてユダの席に座り、たまたまユダが住んでいた家に引っ越してきて、たまたまユダの部屋で生活するようになった(偶然重なりすぎだろ)徹子が真実を知ろうとする物語です。でも決して高尚な目的ではなく、ただ気持ち悪いから、知ってる人に聞ければいいやぐらいの感じ。その知っている人とは、隣の花やしきが呼ばれている家の引きこもり少女「花」。この2人の出会いが、あの映画にも続くものがたりの扉を開けてくれます。

 この作品のサプライズは、「花とアリス」の出演者が、そのまま声優。岩井俊二監督ファンとしては嬉しすぎるキャスティングです。「アリス」は蒼井優さん、「花」は鈴木杏さん、「アリスの母」は相田翔子さん、「アリスの父」は平泉成さん、「花の母」はキムラ緑子さん、「バレエの先生」は木村多江さん、そしてこの映画では登場しないけれど記憶喪失になった少年郭智博さんも理科の先生役で登場。な、なんと豪華な。
さらにあの心に残る音楽もそのまま流れてくるなんて、なんてファン泣かせな。なにげなく流れる曲が、新たなシーンに結びつき、また心に残ってしまいます。アリスが久々に会った父が乗るタクシーを追いかけ追いつき、そのあと別れてまた少しずつ走り出してゆくシーンなど印象的で、このちょっとシーンでも、離れて住む父との関係を感じてしまいます。こんな何気ないシーンがさり気なく挿し込まれているのも岩井俊二監督らしい。

 ものがたりは、ユダの謎を更に膨らませるクラスの魔界の儀式や噂を盛り込みながら、アリスと花がユダの死を探りながら打ち解けて「花とアリス」へと繋がる関係を築いてゆく様子が描かれ、その絆を感じさせるのは、やっぱりラストシーンです。

【オフィシャルサイト】【予告編】
2015年公開作品。
・声優:蒼井優、鈴木杏、平泉成、相田翔子、木村多江、勝地涼、黒木華、鈴木蘭々、郭智博、キムラ緑子
・原作・脚本・監督・音楽:岩井俊二


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はじめまして!あるブログを拝見していたら、このブログに出会いました。私もブログを開設しています。「鬼藤千春の小説・短歌」で検索できます。一度訪問してみて下さい。よろしくお願い致します。

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