清洲会議



 天正十年、本能寺で宿泊する信長を家臣の明智光秀が急襲して自害させる。柱を失くした織田家宿老たちは、清洲城に織田家後継者選ぶために集まるが、三男信孝を推挙する柴田勝家と丹羽長秀、次男信雄を推挙する羽柴秀吉の主導権争いが周りを巻き込み過熱する。

 清洲会議といえば本能寺の変後の戦国時代の大転換期のイベント。なかなかこのイベントは表舞台に出てこないけれど、このインドアの戦いが楽しい。ほとんど清洲城の中で繰り広げられる攻防戦で、中庭を挟み秀吉派と勝家派が、ちらりちらりと相手の様子を伺いながら、一手一手を打ってくる。そしてキーマンとなる人物の部屋にこっそりと訪問して自分の味方に付けようとあの手この手を繰り出す。この絶妙な駆け引きが、合戦のない戦国物語でありながら、ぐいぐい引き込まれ、まったく中だるみがない。
 また、キャストが豪華で個性的で、歴史上の人物達と俳優さんたちが見事に融合し過ぎです。お調子者だがしたたかに天下を狙う「羽柴秀吉」に大泉洋さん。ノリノリの明るさの中に憎めない腹黒さが見え隠れ。秀吉を嫌い織田家第一を考える無骨者の筆頭宿老「柴田勝家」に役所広司さん。猪突猛進の堅物だけど、お市様の前ではデレデレしてしまい、大局よりお市様のほうを優先してしまう。勝家の同僚で勝家の頭脳「丹羽長秀」に小日向文世さん。冷静沈着、反秀吉派のはずが・・。信長の乳兄弟「池田恒興」に佐藤浩一さん。両派の誘惑にフラフラ、ニヤニヤする八方美人ぶりが見事。その他にも、秀吉を嫌がることなら手段を選ばない信長の妹「お市」に鈴木京香さん。秀吉に担がれる信長次男のバカ殿「織田信雄」に妻夫木聡さん。海岸の走り合戦での小気味よい疾走はお見事。ちょい役でも、秀吉の命を狙うくノ一に天海祐希さん、本能寺の変で信長に謀反を伝える森蘭丸に染谷将太さん、そして「ステキな金縛り」の落武者幽霊の更科六兵衛が生前のまま登場するとは。そして以外と合っているのは「織田信長」の篠井英介さん。他の映画では勇ましい役者さんが演じますが、ピリピリ感ではなく飄々感の信長像が新鮮です。この多くの登場人物ひとりひとりを丁寧に描いているからこそ、常にメインキャストが登場しているかのようで飽きが来ないのですね。
 そして他の映画やテレビの戦国時代の人々とどこか違うビジュアル。武将たちは月代が広く横の髪をギュッとして髷が小さい。そのため、これ誰?と思う人が多いです。普段ふさふさイメージの信雄役の妻夫木聡さんや、信長の弟信包役の伊勢谷友介がそう。デカ耳の独特威容の羽柴秀吉の大泉洋さんや、地毛?と思う柴田勝家役の役所広司さんは、わかりやすいですが、さらにまったく違和感がないのが丹羽長秀役の小日向文世さん。何故だろう・・。そして高貴な女性陣はというと、お市様や信長の長男信忠の妻松姫の鉄漿(おはぐろ)と眉無し姿にギョッしてしまいます。秀吉の妻お寧は眉ふさふさですがね。やはりこんな所にもひとりひとりのキャラクタ作りが得意な三谷監督らしさが出ています。

【予告編】

2013年作品。138分。
・出演:大泉洋、役所浩司、小日向文世、佐藤浩一、鈴木京香、妻夫木聡、伊勢谷友介、中谷美紀
・監督:三谷幸喜
・音楽:荻野清子
・原作:「清洲会議」三谷幸喜



<現代の清洲城>
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