白夜行

白夜行 

 廃墟ビルで質屋を営む一人の男が刺殺される。捜査はその妻と従業員松浦、そして殺害される前に訪問していた一人の女性西本文代に絞られるが、全員のアリバイが証明される。そして、その女性と愛人関係であったと思われる男性寺崎に容疑がかかるが事故死をしてしまう。更に、その女性もガス中毒で事故死してしまい真相は謎のまま事件はお蔵入りする。その事件・事故には、大人以外に、父が殺害されてもそれほど動揺を見せない小学生の息子亮司、そして事故死した女性のしっかりとした感じの小学生の娘雪穂が登場して、事件を追う刑事笹垣に強く印象づける。時は経ち、遠縁の華道・茶道を教える女性の養女となった少女雪穂。幼い頃からのしっかりとした雰囲気に更に作法行儀を身に付け磨きをかけた容姿端麗の何事にも落ち着いた才女となっていた。しかし彼女の内面に潜む過去の不幸を伝染されたかのように、彼女に関わった人物は皆不幸へとなっていった。そしてある日、かつて容疑が掛けられた従業員松浦の他殺遺体が発見される。と謎を多く秘めた長い事件の始まりでその展開に期待が持てますが、ここからは時代が少しずつ経っていって、新しく登場する人物たちの不幸と、決して映像では現れないが、何かしら関与があるのではないかと疑いたくなるかのように感じさせる雪穂と亮司の影。ですが、どうも時代の経ちと登場人物がぶつ切りで、突然話しが飛んで一連の繋がりを掴みづらい内容となっています。そのためか、長年この事件を追う笹垣刑事が、事件の継承者でナビゲータ役になっているようでした。この笹垣刑事は、船越栄一郎さんで、2時間ドラマでのあのイメージが強いため、映画とTVドラマの境界があっさり崩れてしまい何故か残念(強いイメージキャラがあると不利だね)。そして、雪穂には堀北真希さん。才色兼備でいて非の打ち所の無い女性を見事に演じていますが、時たま内面に持つ掴みどころのない怪しい何かがすっと漂うその演技は、雪穂に感じる底知れぬ怖さうまく出していました。そしてもう一人の生き残り亮司は、高良健悟さん。雪穂とどうように繋がっているのか分からず、裏の社会に生きる人物像は出ていましたが、もっとそのエピソードを増やし、その印象を強くさせて欲しかったです。この映画の原作は、東圭吾氏の文庫本で800頁を越す大作で、数多くの人物が登場し丁寧に描かれていますが、反対に雪穂と亮司は、ぼかしたかのように描かれています。映画に登場する人物とエピソードはその一部で、どの道場人物にも奇怪な事件やエピソードが起こりますが、そこには決してはっきりと現れてこない雪穂と亮司の気配。数多くの登場人物が、絶妙でそして僅かに繋がり、その謎を知りたくグイグイと引き込まれてしまいました。やはりこの長い作品を144分にまとめたため、ひとりひとりの人物像が希薄になり、その二人の謎の野望が霞んでしまったのは否めません。やっぱり映画では表わしきるには大作過ぎたかな・・ドラマのほうがいいのかも。あっ、亮司=山田孝之さん、雪穂=綾瀬はるかさん、笹垣=武田鉄也さんでドラマ化されていますね。キャスティングもいいかも・・。

2011年作品。149分。
・主演:堀北真希、高良健悟、船越英一郎、戸田恵子、田中哲司、緑友利恵、中村久美、斉藤歩
・監督:深川栄洋
・音楽:平井真美子
・主題歌:「夜想曲」 珠妃
・原作:「白夜行」 東野圭吾

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コメント

こんばんはv-352
夜分遅くにすみません。
また、ご訪問させて頂くのが遅くなって、申し訳ありません。

『白夜行』
ご紹介下さったのですね・・
大好きな作品なので、とても嬉しいです。
難しい内容のストーリーを、見事に書きこなされていますね。
映画では、原作からのシーンをかなりカットされて、分かりやすく
撮って下さっていましたが、原作を最初に読んだ方は大変だったと思います。
時代背景も昭和後期ですものね。

内容は壮絶ですが、私はこの作品のテーマは、愛だと思います。
亮司の雪穂を守ろうとする気持ちは、愛そのものだと思うのです。
それでいて、二人の関係が何だか切ないです・・。
雪穂が本当に愛していたのは、亮司だと思うのです。
ただ、雪穂のすべてを亮司は知っていますから、
女性としては亮司の胸に甘えることは出来なかったのかな・・
彼女にとって、結婚も仕事も、人間関係も生きていくうえでの
手段だったように思えます。
すみません、つい熱くなってしまいましたv-356

Re: タイトルなし

登場人物たちの心情に迫るコメントありがとうございます。

私も先に原作読んだ派でした。なので、あの原作の緻密に練られているのに重厚な内容が、カットされてしまったのは残念でした。原作を読んでいないとわかりづらいかなとも思いました。

雪穂と亮司。幼い頃の悲惨ともいえる境遇が、二人を出会わせ、世の中に隠れるように共存するという手段を取らざる得ないのは仕方なかったのかもしれません。そして、表には決して出さない二人の深い絆が、やっぱり切な過ぎますね。

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