透明人間



 銀座で見えない何かを轢いてしまった車。やがで、車の下に一人の男の遺体と遺書が発見される。それは、軍部の実験によって透明人間された男の末路であった。その頃、透明人間を騙る強盗団が出没するが、残されたもう一人の透明人間南條(河津清三郎)が、その濡れ衣を晴らすために新聞記者とともにその正体を暴こうとする。

 1950年代の透明人間。戦後間近なので透明人間は軍部の実験によるもので、透明人間はその被害者として扱われて、体を無くし生きるために苦悩する。一人は耐え切れず自殺を図りますが、主人公の透明人間は道化師姿のキャバレーの看板持ちとして細々と生きています。透明人間といえば、その名の通り体が透き通って向こうが見えるイメージですから、1950年代の見せ方は、暗闇をバックに道化師の顔の化粧を徐々に落としてゆくと暗闇に同化。ま、まてよ、よく観ると化粧を落としているようで、手ぬぐいに付いた黒い塗料を顔に塗っている。当時としてはアイデアかもしれませんが・・(冴えないマジックのよう)。でも、その後、空中で自然にめくれる預金通帳や、一歩一歩残る足跡、無人で走るバイクなど、透明人間があたかもそこに存在するかのように見せる、張っている特撮も出てきます。物語は、透明人間としてひっそり生活する男。そこに世間を騒がす透明人間強盗団(決して透明になってこっそり侵入でなく、正統派の強盗ですが)、濡れ衣を晴らすために知り合った新聞記者と強盗団を壊滅させる物語ですが、悲しい運命の男の活躍は、決してスカッとはできず、孤独な盲目の少女との絡みも哀しい。そして、失った体を取り戻す唯一方法は、やっぱり・・でした。映像は1950年代のスカスカの銀座や今となってはクラシックカーそしてラビットバイクなどが出てリアルALWAYSとして観るのもいいかもしれません。

1954年作品。70分。
・出演:河津清三郎、三條美紀、高田稔、土屋嘉男、植村謙二郎、近藤圭子
・監督:小田基義
・音楽:紙恭輔
・撮影/特技指導:円谷英二




<日本の透明人間たち>
旧い映画が多く、本家に近い包帯巻き透明人間が登場する「透明人間現わる」('49)、透明人間の刑事がハエ男と戦う「透明人間と蝿男」('57)、ピンク映画のにっかつ作品「透明人間 犯せ!」('78)、最近ではVシネマで「Oh!透明人間」などがあります。
  

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