BU・SU



 田舎から上京して芸者見習いをしながら学校に通う森下麦子(富田靖子)は、垢抜けず根暗の性格ブスであった。そんなおり麦子はかって母が演じた「八百屋お七」と出合い、学園祭で演じるはめになる。しかし、その過酷な練習は彼女を変えるきっかけとなってゆく。

 可愛らしい富田靖子さん主演で「BU・SU」のタイトル。はて?そのミスマッチは?主人公麦子=富田靖子さんの、髪がもっさりしていて垢抜けず野暮ったい、その上拗ねたように人を避け寄せ付けない性格ブス。笑顔が可愛らしい富田さんから笑顔が奪われあの無表情な麦子が生まれるとは予想だにしませんでした。始終その麦子が学校そして芸者の場に登場し、そこだけ違う空気が漂い、妙な雰囲気にさせる富田さんの演技は「アイコ16歳」、「さびしんぼう」とはまるで違う女性像でびっくりです。その麦子が「八百屋お七」(恋のために放火し死罪となった少女の話)に出合い、学園祭で演じるはめになることで、友人たちが出来、ヤル気が出てきて自分で閉じていた殻を少しずつ砕いてゆく成長過程を応援したくなります。芸者の修行で芸子の人力車の後を走るシーンが、いつのまにか人力車を追い抜くシーンへの変化はとても印象的でした。と、単純な少女の成長映画のように思えますが、本番の「八百屋お七」を演じるシーンでは、決して上手ではなく、どちらかというと稚拙な踊りと感じて半分がっかり、これで終わりなのかと思いきや、まさかのアクシデント。そして、最後の実際の紅蓮の炎にかぶる乱れた着物とかつらを脱いで広がった髪の毛のお七姿の麦子の妖艶さが、今までの麦子とは別の存在で、これが本当のお七の姿なのだと感じました(これが見せたかったのですね市川準監督!)。

1987年作品。95分。
・出演:富田靖子、大楠道代、伊藤かずえ、高嶋政宏、丘みつ子、イッセー尾形、藤代美奈代、
・監督:市川準
・音楽:板倉文
・主題歌:「あじさいのうた」原由子

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<八百屋お七>
江戸時代前期に恋人に会いたい一心で放火して捕らえられ火あぶりの刑に処せられた少女の話で、長年歌舞伎や浄瑠璃で演じられてきました。映画は「八百屋お七 ふり袖月夜」('54:美空ひばり)、「八百屋お七 江戸祭り一番娘」('60;中島そのみ)、最近ではNHKドラマ「あさきゆめみし ~八百屋お七異聞」('13)で、前田敦子さんがお七を演じています。


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コメント

富田靖子

この映画でも富田靖子の演技力は、凄い!
彼女の魅力が満載の隠れた名作ですね。

Re: 富田靖子

実はこんな作品があるとは知らなかったのですが、観て富田靖子さんの演技にびっくりしました。
当時のアイドル女優さんが、ここまで出来るとは。ただただ感心です。

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