さびしんぼう



 高校生で寺の息子ヒロキ(尾美としのり)は趣味の望遠カメラで女子高でひとりピアノを弾く「さびしんぼう」とあだ名をつけた百合子(冨田靖子)をいつも追っていた。そんなある日、ヒロキの目の前に顔を白く塗った「さびしんぼう」と名乗る少女が現れ、ヒロキや母を巻き込み騒動を繰り返す。そしてヒロキは偶然にも百合子と話すきっかけを得て、二人の「さびしんぼう」との物語りが始まる。

 尾道の古い町並みと細い坂、そして瀬戸内海に浮かぶ島をつなぐフェリーなど情緒に溢れ懐古的な映像美を背景に、ヒロキと悪友、幼馴染の少女、口うるさい母とのいつもの生活が繰り広げられる中、白塗りの少女「さびんしんぼう」が現れることで、いつもと違う何かが始まります。それは、ひとときの嵐のようでもありますが、どこか寂しさが漂う不思議さがあります。そしてヒロキの想うもう一人の「さびしんぼう」との淡い恋を後押しするかのような雰囲気もありますが、白塗りの「さびしんぼう」は決してアドバイスをするわけでもなく、嫉妬するわけでもなく、ただヒロキの帰りを心配する保護者のような存在です。そしてこの二人の「さびしんぼう」とのちょっとドキドキな出来事、そして切ない別れはヒロキの大人へのステップと考えていいのでしょうか。二人の「さぼしんぼう」は富田靖子さんが演じていて、セーラ服の可憐な美少女と白塗り顔のお転婆娘(心はさびしんぼう)とまるで正反対の人物像を表現し、更にエピローグでは、大人になったヒロキの横に座る女性とその二人の子供であろう少女も含め一人四役をこなしています。そしてそれぞれが見せる顔の向きが異なりヒロキとの関係を微妙に表しているのも大林監督のこだわりなのでしょう。この作品を含め大林監督の尾道三部作「転校生」、「時をかける少女」は、大人になってもそのノスタルジックな映像とストーリーで、ひととき青春の気持ちを懐かしくいざなってくれる作品たちです。

1985年作品。110分。

・出演:富田靖子、尾美としのり、藤田弓子、小林稔侍、岸部一徳、秋川リサ、砂川真吾、犬山大介、林優枝
・監督:大林宣彦
・音楽:宮崎尚志
・原作:「なんだかへんて子」 山中亘

<言葉>
・「さという字が、びという字をおんぶして しんぼう しんぼうと 言っている」・・ヒロキの写真日誌の一文

<西願寺>
ヒロキの実家の寺(尾道吉浦町)とそこに向かう坂道

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そしてヒロキと百合子が始めて会話をする場所(西願寺の坂を下った四つ角)

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【予告編】 【この作品をレンタルする】


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コメント

大切な作品です

尾道三部作の最高傑作「さびんしぼう」。
ワタシも大好きです。
何年か前の朝ドラ「てっぱん」で尾美君が、天満宮の住職をしていたのは笑いました。

尾道三部作良いです

尾道三部作は、いくつになって観ても良い作品。

映画やドラマで尾美さんを見ると、尾道三部作がすぐ頭に浮かびます。それだけインプット度が高いのでしょうね。

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