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駆込み女と駆出し男



 唐物問屋堀切屋三郎衛門(堤真一)の妾で店を仕切るお吟(満島ひかり)は、突然縁切り寺として名高い東慶寺に駆け込むために木戸を抜け早籠を雇い鎌倉へ向かうが、駕籠かきに襲われ動けなくなる。そこへ、放蕩亭主重蔵(武田真治)を持つ鉄練りのじょご(戸田恵梨香)も、夫の仕打ちに絶えかね、死か東慶寺に駆け込むかを迷っていたところお吟に出会う。お吟に頼まれ二人は東慶寺に向かうが、後ろから旅装束の男が足早に2人に近づき、門の手前で捕まりそうになるが、じょごの一撃で男は気絶して2人は無事、東慶寺に駆け込み成就となる。その倒れた男は駆け込んだ女性の聞き取り調査を行う御用宿の亭主三代目柏屋源兵衛(樹木希林)の甥で、医者見習いの信次郎(大泉洋)であった。

 江戸時代、簡単に離縁ができない女性のための救い寺鎌倉東慶寺のはなしで、寺の名前は有名ですが、いままであまりその内情が映像化されていなかった別視線の江戸時代モノです。女性が離縁するためには、東慶寺内に留まり24ヶ月の寺づとめすると亭主から離縁状が貰える仕組みみたいです。寺づとめも入った時の持参金によって、上臈格(茶の湯でのんびり)、御茶間格(尼さんの世話係)、御半下落(炊事洗濯など雑用全部)に分けられるという、救済寺といいながらも昔から金がモノをいってますね。また、直ぐに東慶寺に入れるのではなく、寺の近くの御用宿で聞き取り調査や離縁状の手続きが行われていたようで、この映画はこの御用宿柏屋の人々と東慶寺の人々そして苦渋の末駆込む女性たちのものがたりです。この題材的は暗くなりそうな映画ですが、御用宿の人々の明るさと唯一東慶寺にも入れる医者見習いでありながら戯作者にもなりたい信次郎の存在にどこかコメディ要素を含ませ、24ヶ月の出来事を鎌倉の四季のシーンを挿し込みながら見守れる映画となっています。シーンとした音が聞こえてきそうな?竹林や、一面の緑の苔に落ちる雫、東慶寺の包む静かな雨など、エピソーソの合間をはさむ映像美もなかなか。

 そして登場人物はというと、医者見習いの信次郎は大泉洋さん。戯作者にもなりたい医者ですから、軽快な口調であることないことを捲し立てるそのトークは流石。女郎探しの親分を追いやるシーンなどは秀逸。
 駆け込み女の鉄練りのじょごには戸田恵梨香さん。ぐうたら亭主に代わって鉄練り衆を束ねていたその気強さと控えめさが微妙なバランスで現われる女性らしさがいいです。鉄練りでこさえた酷い顔の火ぶくれを信次郎に治療してもらうときも普段とどこか異なる可愛らしさの表情。独特の言葉も可愛らしさ増ですかね。そして同じく駆け込み女の堀切屋妾のお吟に満島ひかりさん。店を仕切る女性像だけあって、江戸っ子の女性版のように、しゃきしゃきしている。上から目線で自分の思い通りに進める女性とおもいきや、じょごへの愛情と感謝、そしてある思いをもって駆け込んだ事実も、彼女の優しさから来るもので、うわべとは違う彼女の内面が、すっと現われる演技が凄い。ある事情で寺を降りなくてはいけない時のじょごとの別れなどは、彼女の本来の姿なのでしょう。その他にも、名役者樹木希林さんが御用宿亭主となり、毅然とした中にも困った女性への配慮を欠かせない頼もしさと優しさ。宝塚出身の陽月華さん演じる東慶寺の法秀尼。尼さんなのに華があるんだよな。その他にも、御用宿番頭の妻キムラ緑子さん。訳あって侍の格好をして駆け込む女性ゆうに内山理名さんなど出てくる役者さんが映画に欠かせない存在となっています。もちろん、戯作者憧れの滝沢馬琴先生も、その一人。この登場人物たちと絶妙なエピソードを織り交ぜ、映画の中の言葉を借りると「べったべっただんだん」の作品でした。

【予告編1】 【予告編2】

2015年公開作品。143分。
・出演:大泉洋、戸田恵梨香、満島ひかり、内山理名、樹木希林、陽月華、堤真一、武田真治、キムラ緑子、山崎努
・監督:原田眞人
・音楽:富貴晴美
・原作:井上ひさし『東慶寺花だより』

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