サトラレ TRIBUTE to a SAD GENIUS



 人が足を踏み入れない深い山の中に旅客機が墜落する。救助に向かった自衛隊は、瓦礫と化した飛行機であったものの中から、助けを求める子供の声を聞く。それは頭の中に直接届く声であった。

 「サトラレ」。おのずの心の中の声“思念”が周囲に放出される能力をもつ人。
「サトラレ」は別の優秀な特異の力を秘めているため、国家の財産とされ、本人には知らされずに、その生活の全てを国家が保護(監視)する。そんな世界の中、とある小さな町「奥美濃町」の病院で、外科医に成り立ての「サトラレ」里見健一が働いていた。そして健一を臨床医から成果の得やすい研究医に転向させるために、女性自衛官小松洋子が病院に派遣される。

 「サトラレ」を守る大袈裟な国家権力をユーモアに描き、守られる「サトラレ」の隠せない心を切なく描く物語です。国家権力を使っても守るのは、「サトラレ」健一の恋愛あきらめ作戦。これが仕事か~。多くの人が集まる花火大会で、健一が意中の女性に告白するのを阻止すべき、そこらじゅうに役人がスタンバって、諦めさせるためのシナリオを遂行。「踊る大走査線」の本広監督映画ならではの、小刻みにカットが切り替わるスピーディな展開と、ハプニングを織り交ぜ見せる映像で、これだけでも、一大イベントになってしまいます。
 そして、常に健一にサトラレないように健一が幼い頃から、同じ時を24時間警護しているSPの福利厚生(極度の緊張による披露回復休暇)を取らせるため、健一と洋子を思念が人々に届かない無人島に送り込んでしまう。ちょっと、ラブモードに入ってしまうのかなと思いきや、「サトラレ」に関係するとんでもない展開が用意されていて、「サトラレ」の周りには平穏無事がないこと、「サトラレ」自身が持つ消えることのない恐怖がうかがえるものとなっています。

 「サトラレ」健一に安藤政信さん。「キッズ・リターン」でも登場した線の細い柔な男がここにも存在し、その繊細の役柄がぴったり。女性自衛官に鈴木京香さん、テキパキしていて自衛官の制服姿がよく似合います(戦国自衛隊1549でも見せてくれましたね)。ところどころに年齢を気にする自虐的シーンがユーモアで、乙心がときおりちらりちらりと「サトラレ」のように垣間見れるところが、かわいい。

 「サトラレ」という自分だけが知らずに、周囲がやきもきしながらも、煙たがっていた「サトラレ」だけにしかできない、偽りのない気持ちを伝えるという行動が、本当の優しさと癒しだと気付かせてくれました。普通の邪念多きの人間には無理ですけどね・・。これも「サトラレ」ならではなのかな。


2001年作品。130分。
・出演:安藤政信、鈴木京香、内山理名、松重豊、小木茂光、八千草薫、寺尾聰、小野武彦
・監督:本広克行
・音楽:渡辺俊幸
・主題曲:「LOST CHILD」 藤原ひろし+大沢伸一 feat.クリスタル・ケイ
・原作:「サトラレ」 佐藤マコト




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