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阿修羅のごとく



 独立した竹沢家の四姉妹は、老いた父に浮気と隠し子の疑いをもち、母に知られぬよう解決しようと集まるが、彼女達にもそれぞれの秘密と悩みを抱えていた。

 タイトルの「阿修羅のごとく」。そして「阿修羅」の説明から始まる映画に、任侠もの?ハードボイルものと勘違いしてしまいますが、実は父の浮気騒動から始まる四姉妹のホームコメディタッチのものがたりです。父の浮気と隠し子騒動はもちろん一家の一大事で、父に悟られず、母に気付かれずに行動する四姉妹と取り巻く人々のあたふたぶりが描かれ、さらに彼女たち自身の深刻でいながらもユニークなってしまうエピソードも並行して描かれる構成となっています。

 この登場人物と演じる俳優さたちがいい味を出しています。夫に先立たれ花を教えて生計をたてる長女綱子に大竹しのぶさん。一見長女らしいしっかりものと思いきや自由奔放で、父の浮気を知りながらも自分も不倫中。次女巻子はサラリーマンの夫をもつ平凡な妻、黒木瞳さん、家族のために尽くすよき妻ですが、夫に女性の影か見え始め、ダメだと頭では分かっていても体が別な行動をしてしまう一面をもちます。三女滝子は男性とは無縁な真面目な図書館司書の深津絵里さん。シンプルな服装でメガネ姿がいかにも素朴で一番の心配性。でもそんな彼女にも気になる男性が登場。四女咲子は女好きの無名ボクサーと同棲して、彼に新人王を取らせようと本人以上に一生懸命になる。そして彼女たちを取り巻く人たちがまたいい。彼女達の父に仲代達矢さん。真面目な風貌と娘を思う気遣いから、本当に浮気をしているのと疑いたくなりグレーのまま物語は進みます。が、途中から子供にパパを呼ばれて・・・。次女の夫で竹沢家の中心的人物に小林薫さん。どうも父の味方をすると思いきや自らも・・・。その相手らしき秘書に木村佳乃さん。妖艶で何かを秘めいた仕草。父の浮気を調査する興信所の青年に中村獅童さんで、ほとんど喋り方がウド鈴木。長女綱子の浮気相手は坂東三津五郎さんで、その妻は桃井かおりさん。夫の浮気を知り拳銃を綱子に向け・・・。そして、彼女たちが一番気に欠ける母に、まさに良妻賢母の八千草薫さん。なにも文句を言わず、心配事は夫の高血圧。のはずが、まさか彼女にも秘密があったとは。

と、この愉快な人物像だけでも楽しい。やっぱり森田芳光監督作品とあって、ひとりひとりにスポットを当てて、すべてが融合してひとつの物語を紡いでゆく演出は流石ですね。残念ながら数年前に亡くなられたので、もう新作は見られませんが、懐かしの作品をまた観たくなりました。「の・ようなもの」、「家族ゲーム」、「(ハル)」・・。

【予告編】

2003年作品。135分。
・出演:大竹しのぶ、黒木瞳、深津絵里、深田恭子、仲代達矢、八千草薫、小林薫、中村獅童
・監督:森田芳光
・音楽:大島みちる
・原作:「阿修羅のごとく」向田邦子
・主題歌:「ラジオのように」ブリジット・ファンテーヌ





<4姉妹の作品>
谷崎潤一郎原作の「細雪」(‘83)。長女:岸恵子、次女:佐久間良子、三女:吉永小百合、四女:古手川祐子。赤川次郎原作の「三姉妹探偵団」とお菓子のCMがコラボした「四姉妹物語」(‘95)。長女:清水美砂、次女:牧瀬里穂、三女:中江有里、四女:今村雅美。今年の公開予定の吉田秋生コミック原作の「海街diary」。長女:綾瀬はるか、次女:長澤まさみ、三女:夏帆、四女:広瀬すず。いつの時代の映画でも美女揃いですね。

 


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白ゆき姫殺人事件



 田舎町の自然公園でメッタ刺しされ火をつけられた女性の死体が発見される。すぐさまテレビのワイドショーは、事件当日から行方をくらましている同僚女性に容疑の目を向け、会社の商品「白ゆき」石鹸と女性の名前から「白ゆき姫殺人事件」と名をつけ日々過激な報道を始める。

 原作は「告白」で衝撃デビューを果たした湊かなえさんの作品で、登場人物たちの本当の姿が殺人事件の真相と絡めて暴かれてゆく内容です。小説では、ひとりの週刊大衆紙フリーライターの事件取材のインタビューとそれをもとに作られた軽薄な雑誌と軽率なツィッターが、殺人事件の真相をあらぬ方向に野次馬達を導いていきます。映画では、テレビワイドショーの製作会社ディレクターの事件取材の形で、カメラ映像を交えることで、より普段目にする事件ニュースの様となりリアリティを増し、そしてテレビになったことで、より多くの人の目に晒され、個人の意思と力ではどうにもならない情報の拡散と氾濫と暴かれてゆく個人情報の恐怖が描かれています(まさしく最近よく目にします)。また、取材インタビューを受ける人々のちょっとした感情やあやふやな思い込みで歪められてゆく事実。登場人物が変わる度に繰り返し登場するシーンが、微妙に細部が異なってゆくことで、その不確かさが表現され、事件の真相が余計に分からなくなる演出となっています。キャストは失踪した女性「城野美姫」(この名前から白ゆき姫)に井上真央さん。いたって平凡で純粋な女性を化粧と垢抜けない格好、そして演技力でオーラを消し去り平凡な容姿と雰囲気で見事に作り上げています。決して殺人を犯す人間には見えませんが、彼女を取り巻く少しずつの悪意と興味の証言で、100%そうとは言い切れないダークの部分を見せることで謎を深めます。そしてこの虚像の「白ゆき姫殺人事件」を作り上げてゆく様々な登場人物たち。グルメ番組担当で一発当てたい軽薄なディレクター(綾野剛)。殺害された美人OL・・でも裏があり(奈々緒)。ゴシップに火を点けた会社の後輩(蓮佛美沙子)。さらに煽るゴシップ好きの会社の後輩(小野恵玲奈)。元カレらしい保身を考える上司(金子ノブアキ)。大学時代の親友、でも・・(谷村美月)。小学生時代の親友で引きこもり女性・・共有の秘密を持つ(貫地谷しほり)。娘を信じない両親(ダンカン、秋野暢子)。中学時代の憧れの人(大東俊介)。などなど、多くの登場人物の思い込みや推測だけで成長してゆく報道。そして、一切この報道に絡むシーンに警察が登場しない理由は・・・。そして、この荒んだ信じることが出来ない人間模様の中、原作にないひとつのエピソードが僅かな救いを与えています。

【予告編】 【オフィシャルサイト】

2014年作品。126分。
・出演:井上真央、綾野剛、奈々緒、蓮佛美沙子、金子ノブアキ、貫地谷しほり、谷村美月
・監督:中村義洋
・音楽:安川午朗
・原作:「白ゆき姫殺人事件」 湊かなえ



あけましておめでとうございます。
忙しすぎて更新が出来ていませんでしたが、徐々に再開します。
ご来訪の映画好きの皆さん、今年も宜しくお願いいたします。


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