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波の数だけ抱きしめて



 湘南茅ヶ崎のミニFMステーションに集まる4人の男女たちの夢は、湘南の海沿い何処でもこのFM局を聞けるようにすること。そこに広告代理店の男が入り込み、その実現への道と恋の駆け引きが始まる。

モノクロ画像の結婚式から始まるシーン。祝福の中にも意味ありげな視線を交わす新婦と参列者の男性。式の後、男性と友人が、湘南の海へと向かうトンネルの前に感慨深そうに立ち、やがてトンネルをくぐると、一転してカラー画像の派手で賑やかな過去の湘南シーンへと切り替わり、ものがたりは始まります。
 ものがたりは、高校時代からの長い付き合いで相思相愛なのに告白できない男女。彼女が海外に飛び立つ前に告白して行かせるのを止めさせたいけど、その勇気がでないダメ男。そこに突然現れたナンパ男との三角関係、いやもっと多い関係かな。この恋模様に、ミニFM局を湘南の海沿い全部(国道134号沿い)に、流そうとする彼らの夢と湘南の背景に流れるFMの音が、ワクワク感と心地よさと与えてくれます。でも躍動感はそれほどなく、なにかスローな感じの流れが、いいのかも。
登場人物は、ミニFM局DJの地元女子大生真理子に中山美穂さん。潮焼けした茶髪に小麦色の肌、水色のアイシャドーに大きめなイヤリングをして、サーファーぽいけど清楚な雰囲気。辻堂でバイトする祐子には、松下由樹さん。いまと変わらないショートヘアに小麦色の肌、健康な肢体を惜しげもなくさらけ出す元気娘。一方男性陣は、どうも海が似合わない・・。見た目と違い意外と小心モノの小杉に織田裕二さん。電波中継器を設計する無線オタクの芹沢に阪田マサノブさん(湘南に作業ベストか)。真理子に入れ込む一流広告代理店社員の吉岡に別所哲也さん(いかにもナンパ男風)。この彼らが織りなすひと夏をPVのように、ユーミンの歌声とおしゃれな洋楽たちが包み込みます。

 そして何といっても、中山美穂さんのDJ姿がいいのです。まずイヤリングを外し、レコードを取り出しクリーニングスプレーをかけてクリナーでさっとレコードを一周。そしてヘッドフォンを片耳にあて、針を落として曲の頭だしをキュッキュッとする。そしてジングルが入ったカセットに鉛筆を挿し込み回して、たるみを取る。うーん、この滑らかな動きがいい。レコード・カセットテープの時代というだけで懐かしさ倍増。さらにウェットスーツ姿でサーフィンのインストラクターまでしてしまう。教えるのは、湘南でのサーフィンの極意(内容は映画で)。この不思議な癒し感覚がいいのです。

 そして、ラストの過ぎ去った青春時代の廃墟と化したミニFMステーション。過去を語りあって海岸を歩く仲間達を背景に、ユーミンの「真冬のサーファー」をBGMにエンドロールが流れ、曲が終わると、ミニFMのジングル。さらに、波の音とカモメの声をバックにエンドロールが流れ、最後はやっぱりミニFMのジングルで終わるラストも、最後までこの映画がFMの一部のようで好きです。

1991年作品。91分。
・出演:中山美穂、織田裕二、松下由樹、別所哲也、阪田マサノブ、勝村政信
・監督:馬場康夫
・音楽:松任谷由美 「心ほどいで」、「Valentine’s DJ」、「SWEET DREAMS」、「真冬のサーファー」
・挿入曲
 「You’re Only Lonely」 J.D.Souther ・・真理子に告白しようか悩む小杉と雨に打たれる祐子
 「Rosanna」 TOTO・・FM曲が湘南全部に流れ、車に乗りそれを聴く真理子が旅立つシーン
 「Key Largo」 Bartie Higgins・・砂浜でスタックする吉岡に手助けを申し出る真理子
 「Each Time You Pray」 Ned Doheny・・DJする真理子の所に強引に乗り込む吉岡
 「Her Town Too」 James Tayler & J.D.Souther
 「In The Night」 Cheryl Lynn・・渋滞情報と迂回路を放送する真理子
 「Black Sand」 KALAPANA・・海岸図をペンキで描く祐子と中継器を作る小杉と芹沢
 「Don’t Talk」Larry Lee・・中継器を設置する芹沢と由子、バイトする小杉と真理子
 「I’d Chace A Raibow」 KALAPANA・・夕日の中をDJする真理子

 




<バブルと流行のホイチョイ映画>
ホイチョイ・プロダクションが送る映画は、その時代の流行と恋を題材にヒットした作品ばかりで面白い。「私をスキーに連れてって」(’87)、「彼女が水着にきがえたら」(‘89)、「メッセンジャー」(’99)、「バブルへGO!!タイムマシーンはドラム式」(‘07)。
 
 


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翔べイカロスの翼



 カメラマンを目指し全国を放浪する栗山(さだまさし)は、ふと目に入ったサーカスのポスターに惹かれ、何となくサーカスの門を叩く。最初はサーカスの裏表の写真を撮る目的であったが、一緒に団員たちと生活を共にするうちに、その一員になりピエロになることを決意する。

今は無くなった日本三大サーカスのひとつ「キグレサーカス」の、若くして命を失くした実在のピエロくりちゃんの物語です。映画は、サーカスの派手な表舞台を映し出すだけではなく、集団で地方周りをする実際の生活姿(食事姿、夜のサーカスの姿、個人の生活など)が映し出され、役者さんが演じているとはいえドキュメンタリー要素も含まれ、この映像だけでも面白い。
 そして主人公のカメラマンを目指すもどこか冷めていた青年が、サーカスに触れピエロの存在を知り、苦悩と努力の中で自らがサーカスの構成を練ってピエロとして成長する姿が描かれています。この青年に若かりし頃の歌手のさだまさしさん。映画デビュー作ですから、素人ぽさがあり、映画の中の主人公が新しいサーカスの世界に入るウブな感じとオーバーラップします。そして芸人になるための一輪車や綱渡りの練習シーンの体を張った演技、道化師ピエロになるためのパントマイム練習シーンは、さだまさしさんのリアル練習シーンなんだなと感じ、やがて習得した芸のお披露目やピエロの道化芸は、見事としか言えないですね(どれだけ練習したの)。またピエロという明るい存在ながら、どこか哀しさがちらっと現れるのも、さださんの歌と一緒の表現力の高さかもしれません。そして青年のピエロとしての人生を一緒に築いてくれるのは、栗山を信頼していろいろと任せてくれるサーカス団長のハナ肇さん(クレジーキャッツのリーダーそのもの)、サーカスの世界から外に飛び出したいサーカス団員百合の原田美枝子さん(とにかく可愛い)、その兄の尾藤イサオさん、その祖父の宮口精二さん(ここで七人の侍の久蔵が見れるとは)、栗山を応援してピエロになるきっかけをつくる飲み屋のママに倍賞美津子さん、とがっちり固められて映画としての安心感があります。また音楽をさださんが担当しているため、北の国からの雰囲気が出ているのもどこか面白い(ちなみに北の国からは1981年からテレビ放映)。そして、さださんが歌いこの映画のために作られた「道化師のソネット」が、この栗山の気持ちを伝える、もうひとつの物語となっていて、しみじみと聞き入ってしまいました。

1980年作品。112分。
・出演:さだまさし、原田美枝子、ハナ肇、尾藤イサオ、宮口精二、橋本功、倍賞美津子、三木のり平、ヨネヤマ・ママコ
・監督:森川時久
・音楽:さだまさし
・主題歌:「道化師のソネット」さだまさし 【おまけに松浦亜弥版】
・原作:『翔べイカロスの翼 - 青春のロマンをピエロに賭けた若者の愛と死』草鹿宏




<さだまさし原作映画>
さだまさしさんと言えば、命を題材に人間味あふれる小説を多く書かれ、その小説が原作となった映画も数多く作られています。
辛い過去のもつ遺品整理人の「アントキノイノチ」(‘11)、余命少ない気丈な母と娘の「眉山」(’07)、次第に視力を失ってゆく病に罹った青年の「解夏」、自伝的小説の「精霊流し」(’03)
 
  
  


リターナー



 何者かに襲撃され銃弾が飛び交う軍事基地らしき施設で、ひとりの少女がまばゆい光が放射される装置に飛び込む。貨物船で子供の人身売買の取引を行う二つの組織を襲うロングコートを見にまとった長髪の男。次から次へと組織の男たちを容赦なく倒し、男が付け狙う組織の幹部の眉間に銃口を向けるが、突然現れた少女に気を取られた隙に男を取り逃がしてしまう。この長髪の男は、闇組織から金を奪う「リターナー」ミヤモト(金城武)。ミヤモトが狙うのは、かってミヤモの仲間を殺した溝口(岸谷五郎)。そして突然現れた少女は、未來から戦争を防ぐためにタイムトラベルしてきたミリ(鈴木杏)。いきなりのミヤモトの派手なガンアクションと溝口のいかにも悪人らしい振る舞いに映画に引き込まれ、さらにミリが未来から来た理由とタイムリミットのある使命が明らかになり、更にググッと引き込まれます。作品は、どこかハリウッド映画のパクリのような設定やシーンもありますが・・(ゆっくり動く銃弾をかわすミヤモト「マトリクス」(’99)。家に帰りたいと訴える宇宙人「ET」(’82)。空間から光とともに現れる人や擬態する武器「ターミネータ」(’84)、装甲強化服を身に付けた宇宙人と人の口を借りて語るシーン「インデペンデンスデイ」(’96)などなど)・・「ALWAYS 3丁目の夕日」や「永遠の0」のVFX畑の山崎監督作品ですから、なかなか映像は見られます。大型旅客機やVTOL戦闘機の擬態宇宙船、いい、いい。装甲強化服を身に着けた宇宙人、巨人兵のように山の半分を吹き飛ばす破壊的武器を備えた宇宙船、さらにアクロバティックガンアクションやバイクカーアクションなども、どこか見たことあるような気がしますが完成度は高いです。そしてストーリーは、ミヤモトと溝口との因縁の対決とミヤモトがイヤイヤ助けるミリの使命が、偶然にも結びついてひとつの目的となり、宇宙生命体とチャイニーズマフィアが絡み合いクライマックスへと進んでいきます。この息もつかせぬ展開の合間に、ミヤモトとミリの楽しいやりとりや二人を助ける樹木希林さん演じる飄々とした情報屋兼調達屋の謝とのやりとりが、緊迫している2人に僅かばかりの休息を与えるかのよう挿入され、そのシーンの積み重ねが、荒んだ世界で生きる2人に再び永遠の安息を取り戻させようとするかのようでした。だからラストは・・。

【予告編】

2002年作品。116分。
・出演:金城武、鈴木杏、岸谷五郎、樹木希林、高橋昌也、岡元夕起子
・監督:山崎貴
・音楽:松本晃彦
・主題歌:「Dig in」レニー・グラヴィッツ





<VFXマエストロ山崎貢監督>
映画にあったVFXをマエストロのように使いこなす山崎貢監督。その活用はSFだけではなく、昭和30年代の世界を蘇らせた「ALWAYS三丁目の夕日」シリーズ、戦国時代を蘇らせた「BALLAD 名もなき恋のうた」、太平洋戦争のゼロ戦の勇姿を蘇らせた「永遠の0」と、その映像の質は高く、これからどのような題材を見せてくれるかの期待させてくれます。ちなみに最新作は「寄生獣」。【寄生獣予告編】

 
 




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