続・座頭市物語



 関宿の本陣で大名の殿の按摩を頼まれる市(勝新太郎)であったが、その殿は狂人で世間にそのことが洩れないように家来と抹殺を請け負ったヤクザから狙われることになる。そして、一年前に斬りあった浪人の墓参りに笹川に向かうが、笹川のヤクザの元にも市抹殺の仕事の依頼が下される。

 座頭市物語の一年後の設定で、前作のおたねや助五郎親分が引き続き登場します。舞台は千葉当たりの設定で大名のあん摩を頼まれるが、バカ殿であったために世間に風評が広まらないように口封じに武士とヤクザから狙われる話です。市の抜け目ない飄々感、そして暗い過去を持つ嫌世な気分を背負って生きていく姿は哀愁と寂しさを漂わせています。前作で斬った侍のことを真の友人として想ったりする人間らしさは人一倍。そんな市だからこそ、女性にモテる。前作でもおたねにプロポーズされたが、今回も飯盛り女お節が言い寄ってくるモテぶりです。そして今回は怪しい侍と弟分が登場。なんか勝新さんと似ていてキャラが被ってると思ったら、予定通りのキャスティングだということが後からわかります。決して強くもなく立派でもないので、このキャラの存在がわかりませんでしたが、それも納得。この浪人役の城健三郎って、実兄若山富三郎さんなのですね(びっくり)。そして前作ではちょっと不完全燃焼ぎみの居合抜きが、今作では爆発して複数人の敵をあっと言う間に切り倒す凄腕を何度も披露してくれます。座頭市はこうでなければ面白くない!でも、最後のアレは八つ当たりだろ。

1962年作品。73分。
・出演:勝新太郎、城健三郎(若山富三郎)、水谷良重、万里昌代、中村豊、沢村宗之助、柳長二郎
・監督:森一生
・音楽:斉藤一郎

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毎日が夏休み



 登校拒否の林海寺スギナ(佐伯日菜子)と会社を辞めた義父の成雪(佐伯史郎)は、昼間にばったり公園で遭遇してしまいお互いの境遇をしってしまう。二人は就活を行うがうまくいかないため、二人で便利屋を立ち上げる。

 優等生を演じる登校拒否の中学生と方針が合わないからと一流企業をやめた義父、優等生と一流企業をステータスに思う母三人の生き方を悲壮感ゼロで、進むべき道は自分で切り開く精神いっぱいの元気をくれる映画です。あっ、母は悲壮感いっぱいか。とにかく父娘の前向きさがよく、就職先が無いなら起業しちゃえ、学校が嫌なら行かなくていい、そのくらいの内容なら教えるし、働くことで社会勉強になり人間として成長できる。起業するなら見栄をはらず卑屈にならずに、元妻だろうが元夫の元にも案内を躊躇無く出す。もちろんどんな仕事であろうと断らず精進してスキルアップ。まるで優良自己啓発を映画にした内容です。娘を演じる佐伯さんはデビュー作でありながら、明るく素直で嫌味が全然ない女子中学生を見事に演じています。ナレーションはいまいち棒読だったかな。父は佐野史郎さん、迷いがなくズバズバ行動を起こす頼れる男を演じて、以外に女性にはモテるという設定でした。でも元妻への未練たっぷりさは、現妻が可哀想に思えますが、入院時にはビシッと決めてくれましたね。登場人物たちにブレがないので何が起こっても始終安心して観れる映画でした。ん?映画としてはいいのかな?

1994年作品。94分。
・出演:佐伯日菜子、佐野史郎、風吹ジュン、高橋ひとみ、益岡徹、黒田福美、上田耕一、戸田恵子、小野寺昭
・監督:金子修介
・音楽:大谷幸・
・主題歌:「時間のない街」 鈴木トオル

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あそこの席



 東京から転校してきた瀬戸加奈(阪田瑞穂)は、クラスの空いている席に座るが、そこは次々と座った生徒に不幸が訪れる席であった。そして、なぜか周りから嫌がらせを受け、さらに不可解な現象が加奈の身に起こる。加奈は親切に接してくれる土屋と担任の市村と真相解明に乗り出すが..。

 そこの席に座ると不幸が訪れるという噂、いや事実の席に座ることになってしまった転校生の女子生徒。最初からして周りの連中の怪しさオーラが半端ない、そこに優しく手を差し伸べる隣の席のイケメン男子。さらに不気味な音楽教師に親近感のある担任。と、こんな舞台ですが、何となくオチが想像でき、案の定の展開。ただし人間の手による不幸招来かと思っていたら、霊的存在が出てきて、いかにも席に執着しているかのような展開でしたが、、実は誰もが執着を持つアレでした(学校の席に執着する奴なんかいない)、やっぱり。あとイケメン男子の言葉遣いが途中から妙になっていたのですが、それは真犯人を知らせる伏線だったのですね。でも、名作『サイコ』をそのままパクリ過ぎの稚拙展開で、映画というよりDVD単体作品や深夜ドラマのレベル。キャスティングもインパクトのあるのは精神的に不気味な根岸さんくらいでした。さすが負のオーラーを漂わせるのは上手い。そして意外にもこの映画は中村監督作品で、伊坂幸太郎原作ものの「アヒルと鴨のコインロッカー」、「フィッシュストーリー」を撮った同一監督とは思えない残念な作品でした。

2005年作品。70分。
・出演:阪田瑞穂、細田よしひこ、浅香友紀、小松愛、市川春樹、山口聖来、眞島秀和、根岸季衣
・監督:中村義洋
・音楽:藤野智香
・原作:「あそこの席」 山田悠介 

<加奈が転校した学校:ロケ地は旧三崎高校>

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殺人狂時代





 大学講師の桔梗信治(仲代達也)は、ある日、大日本人口調節審議会という組織の殺し屋から狙われるが、偶然にも返り討ちにしてしまう。しかし、組織は諦めず次々と殺し屋を送り込んでくるが、桔梗は知り合った鶴巻啓子(団令子)と大友ビル(砂塚秀夫)と一緒に反撃に出る。

 いつもは二枚目の恰好いい役が定番の仲代達矢さんが、ビン底メガネの水虫に悩まされる冴えない大学講師を演じ、珍しく違う面が見れる貴重映画と思っていたら、いつの間にかメガネは無くなり(どうやら目もよくなってる)、身だしなみは良くなり、颯爽としてるいつもの仲代さんになってしまいました。まあ、そこはちゃんとした?理由があるので後から無理やり納得しましたが..。映画は大日本人口調節審議会なるものが、いらないと判断した人々を暗殺していくもので、そのターゲットに選ばれた桔梗が偶然か必然かさらりさらりとその攻撃を交わして、なぜか殺し屋たちがやられていくという筋書きで、実は狙われる理由も隠されていたというオチ。一方殺し屋達のボスでマッドサイエンス的な天本さんは、この手の役がピッタリ!正当法で無く、一風変わった攻撃や罠を仕掛けてくるところなどもイイですね。正々堂々と桔梗と対決をする紳士らしさを見せながら、危うくなると奥の手のを使う卑怯らしさもありマトモじゃないキャラを最後まで貫いてくれました。映画としてはストリーもあり、冴えない仲代さんと颯爽仲代さんの殺し屋の対決がが見れ、爆破シーンも岡田喜八監督らしく迫力もあり、途中テンポが落ちて無駄なシーンもありましたが、サウペンスコメディとしては及第点の映画かな。アニメチックのオープニングもこの時代の映画としてはよく出来ていたと思います。

1967年。99分。

・出演:仲代達矢、団令子、砂塚秀夫、天本英世、小川安三、冨永美沙子、久野征四郎、沢村いき雄
・監督:岡本喜八
・音楽:佐藤勝
・「飢えた遺産」(なめくじに聞いてみろ) 都築道夫

笑の大学



 昭和十五年秋、国が戦争に突入しようとしている時機に、劇団笑の大学の専属脚本家椿一(稲垣吾郎)は、警視庁に台本の検閲を受けるために赴くが、そこには外地から転任してきた堅物の向坂睦男(役所広司)が立ち塞がる。

 三谷幸喜さん原作は、最近の大規模ものより、こういった取調室の密室劇のこじんまりした作品のほうが面白いですね。また、堅物検閲官の役所広司さん、脚本家の稲垣吾郎さんのやりとりとその表情・仕草がまさに絶品!この手のこじんまりした映画はストーリーと役者さんの演技力が無いといまいち作品になってしまうのですが、両方兼ね揃えた秀作だと思います。題名兼劇団名の「笑の大学」という設定も内容に合ってて抜群。堅物で喜劇なんか不要と考える検察官が、日々の台本の検閲と椿一のやりとりの中で叙々に笑いの面白さに目覚めていき、自らアイデアを出したり、演技をしてしまいのめりこんで行く姿はまさに「笑の大学」!役所さんの堅物設定の上での笑いへの戸惑いの表情や仕草、劇場に入ろうとする前のおちょぼ口の戸惑い顔など最高の演技です。ラストは、喜劇でありながら戦時中という設定なので切なさが漂うところもうまくまとめあげられていました。

2004年作品。120分。

・出演:役所広司、稲垣吾郎、高橋昌也、小松政夫、石井トミコ、長江英和、眞島秀和、木村多江
・監督:星護
・音楽:本間勇輔
・原作:三谷幸喜

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座頭市物語





 盲目の居合いの達人座頭市(勝新太郎)は、知り合いの下総のヤクザ飯岡助五郎の所でわらじを脱ぐ。その飯岡は対立中の笹川を潰そうと考えていたが、笹川には用心棒として凄腕の浪人平手造酒(天地茂)いて、なかな手を出せずにいた。そして、市に助っ人を頼むが、市と平手は酒を酌み交わす仲であった。

 座頭市の第一作目ということで、ついつい1989年最後の座頭市と比べて見てしまいました。とにかく勝新さんが若い(当たりまえか)、そして平手造酒役の天地茂さんがシブい。映画はモノクロ映像のため、時代劇という感じが非常に出ているのと、その風景描写がうまい。手前に葦やススキなどをがありそのバックに人が動くことで奥行き感が出てていて、市が助五郎の所に訪ねてくるシーンも屋内から格子を通して外の市をとらえ、そのままワンカットで市が屋内に入りそのまま奥へと入る。そしてラストシーンの山を登る市のバックに小さく映るおたねといった具合に常に奥行きを意識した映像でした。そして座頭市といえば居合い抜きと期待していたのですが、なかなか見せてくれません。最初の居合い抜きは放り投げた蝋燭を半分に斬るシーン。1989年版のように狭いところで多人数をあっとうまに斬り倒すシーンがあるのかと思いきや、思ったほど素早い凄腕には見えず斬るシーンも少ない。平手造酒とのガチ勝負もいまいち。当時の殺陣がまるで空を切る感じなので残念ながら戦うシーン全体的に迫力が無かったですね。

1962年作品。96分。
・出演:勝新太郎、天地茂、万里昌代、柳長二郎)、島田竜三、南道郎、中村豊、千葉敏郎、守田学、毛利郁子
・監督:三隅研次
・音楽:伊福部昭
・原作:「座頭市物語」(随筆集「ふところ手帖」収録) 子母沢寛

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カナリア





 カルト教団ニルヴァ-ナに母と妹と共に入信した岩瀬光一(石田法嗣)は母と別れ修行を積んでいたが、教団が無差別テロを犯して、母は指名手配となり、妹は祖父に引き取られ、光一は児童相談所に預けられる。しかし、光一は妹に会うために相談所を脱走し、男に連れ去られそうになる援助交際をする新名由希(谷村美月)と遭遇し二人で東京に向かうことになる。

 世間を震撼させたあの教団をモチーフにし、その教団に母と妹と入信させられ洗脳されていく少年。しかし教団が無差別テロを犯したため母は指名手配され妹は祖父の元へ、そして少年は洗脳がとけず厄介であることから施設に入れられるが、妹と会うために脱走。よく、このストーリーを映画化したなとまず感心。そして、12歳の少年一人では何もできず簡単には妹の元に辿り着くわけがないのですが、そこに登場する一人の少女によって、その目的が一歩ずつ現実味を帯びてくる。この少女役は幼い頃の谷村美月さん(デビュー作)。あどけなさいっぱいなのに生きるためなのか世間への反感なのか?援交まがいの行動をし、関西弁でまくしたてインパクトがある演技で、真逆の寡黙の少年との対比が如実に表現されています。谷村さんの背中越しのトップレスになる姿は、あっけらかんとしながらも哀しさが漂っていましたね。また、道中で出会う訳ありな人たちの人生感が、少ない時間の中でも演出され彼らだけに苦悩があるわけでないことを気づかせてくれます。離婚して子供に会えないリョウさんとつぐみさんのレズカップル、元信者で現実世界に戻ろうと必死に西島さん。そして、ラストシーンの少年の変貌はどのように受け取った方がいいのか。新たなる教祖の誕生なのか・・

2004年作品。132分。
・出演:石田法嗣、谷村美月、西島秀俊、甲田益也、りょう、つぐみ
・監督:塩田明彦
・音楽:大友良英
・エンディングテーマ:「自問自答「カナリア」ミックス」 向井秀徳
・挿入歌:「銀色の道」

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アバター





 母子家庭の阿武隈川道子(橋本愛)は、アバターが中心で動いている高校でレアアイテムを多く所持している阿波野(坂田梨香子)にいじめれている日々を過ごすが、ある日レアアイテムを当て、日頃から阿波野に憎しみをもつ西園寺(水沢奈子)とともにアバターサークルを作り上げ、クラスそして学校を牛耳るようになる。しかし、阿波野の逆襲が始まる。
 
 アバゲーという着せ替えゲームのレアアイテム持ちが現実でもステータスといった奇妙な世界。その世界で暗かったり生意気だったりしていじめられている少女たちが、偶然手に入れたレアアイテムによって自分たちの地位を築き上げ、復讐して行く話です。いじめられっこは、もっさりアタマの眼鏡っ娘たち(皆一緒に見える)で、綺麗な橋本愛さんが無理やりブスメークをしているのですが、特殊メークでないので、いまいちブスになりきれていないですが、アバターに似せて整形した設定の美貌はとびきり綺麗ですね。橋本さんは「貞子 3D」の貞子役、「告白」の少女役などに出演しその存在感を示していましたが、この映画でもその美貌は存在感がありましたが、演技がいまいちで残念。高飛車セリフや、この野郎的言葉が合わないんだよなー。また、この世界の道子・西園寺が率いるアバターサークルのトレードマークがガスマスク。まるでリアル鬼ごっこ女子高生版みたいで、キミワルイ感はあるけど、普通被らんでしょ。かわいいレアアイテムを探している娘達が選ばんでしょ、アバターとの意味もわかならいないし・・ただガスマスクに制服姿の集団は洗脳されて自分を見失った少女たちの哀れさと愚かさが見え隠れ、現実でも本質がわからないまま踊らされている大人たちとオーバーラップしてしまいました。映画は徐々に復讐色が強くなり、挙句のはてにアバタークサークルは計画的殺人を犯しまったり犠牲者を出しているのですが、最後にその追求はなく、普段通りの学生生活が何事も無かったかのように始まり、まるでゲームのようにリセットされる不思議な世界でした。

2011年作品。91分。
・出演:橋本愛、坂田梨香子、水沢奈子、はねゆり、佐野和真、指出瑞貴、大谷澪、増山加弥乃、
加藤虎ノ介、温水洋一、鈴木拓、紺野まひる
・監督:和田篤司
・主題歌:「青写真」 The alps
・原作:「アバター」山田悠介

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映画大好き人間でやんす。日本映画好きでやんす。新旧問わず好きでやんす。
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