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遠すぎた橋 (A Bridge Too Far)


 
 第二次世界大戦下のヨーロッパ。ノルマンディー上陸作戦が成功してドイツ軍を追い込む連合軍は、一気にドイツ国内に攻め込むために、マーケット・ガーデン作戦を敢行する。この作戦はベルギー・オランダからドイツに向かう5つの橋を空挺部隊で占領して、確保した道路を陸上部隊が進行するものであった。敵陣深く降り立つ空挺部隊は、英軍はショーン・コネリーとアンソニー・ホプキンス、米軍はライアン・オニール、ロバート・レッドフォード、ジェームズ・カーン、ポーランド軍はジーン・ハックマン、そして陸上機甲師団はアイルランド軍のマイケル・ケイン、と渋い面々が揃って戦争大作品の醍醐味の豪華キャストに期待大。そして作戦は決行され、各橋に降り立つ空挺部隊と進攻を始める機甲師団。そして情報では、いるはずのない強力なドイツSS装甲師団が待ち構え、各橋での攻防戦が始まる。そして各登場人物をメインに据えたエピソードが繰り広げられ大作品ならではの展開。しかし、5つの橋と陸上部隊のエピソードが次々と登場するので、作戦自体の進行や状況が全然分からない。どこで優勢なの劣勢なの?いまどこの橋の話なの?あなたはどこの部隊の誰?とランダム過ぎで初めて観ると理解不能になってしまう内容です(2回目、3回目でも・・)。せめて時々地図や状況説明が入るシーンがあれば・・やはり相当前知識を入れてから観ないと難しい作りです。それでも、各登場人物たちのエピソードだけ抜き取るとなかなかいけてます。橋の対岸に真昼間、銃弾飛び交う中を布地のボートで渡航作戦を率いるロバート・レッドフォード。重症を追った上官をジープに乗せ敵軍の中を疾走するジェームズ・カーン。橋を爆破された川に突貫で橋を架けようと指揮する葉巻をくわえたエリオット・グールド。そしてなんといっても、陸上軍が一番遅く来る予定の一番遠くの橋のショーン・コネリー率いる英軍空挺部隊。ほとんど孤立無援で、補給が届かず弾薬・食料無し、壊れて使えない無線、敵は最強のドイツSS装甲師団と、踏んだり蹴ったりの状況の中、戦うというより苦境を凌ぐ戦況で凄まじいものがありますが、ショーン・コネリーやアンソニー・ホプキンスの劣勢の中でも英国紳士らしいスマートさを失わない演出は好きですね。戦場でも紅茶。敵と間違われないように傘。なんていうウイット感もいいです。そして、ショーン・コネリーが命からがら退却して、作戦司令部に戻ったときのその温度差は、単純な戦争映画では終わらせず、いつの時代でもどの場所でも繰り返される愚行を強く印象づけてくれました。

【予告編】 【この作品をレンタルする】

1977年英仏作品。
・出演:ショーン・コネリー、ロバート・レッドフォード、マイケル・ケイン、アンソニー・ホプキンス、ジーン・ハックマン、ダーク・ボガード、ジェームズ・カーン、ライアン・オニール、エリオット・グールド
・監督:リチャード・アッテンボロー
・音楽:ジョン・アディソン
・原作:「遥かなる橋」 コーネリアス・ライアン





<コーネリアス・ライアンのもう一つの作品>
原作者コーネリアス・ライアンのもう一つの有名な作品は、ノルマンディー上陸作戦の「史上最大の作戦」(The Longest Day)があります。こちらは1962年に映画化され、ジョン・ウェイン、ロバート・ミッチャム、ヘンリー・フォンダなど米英仏独の豪華俳優出演の大作品です。そして、久々に昔の戦争映画を観ると他の作品も観たくなりました。「ナバロンの要塞」、「大脱走」、「戦場にかける橋」、「バルジ大作戦」などなど。

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マラソンマン(MARATHON MAN)



 いきなりタイトルの『マラソンマン』の印象を強くさせるが訝しくも思えるモノクロのアベベのマラソンシーン。そして、ニューヨークの銀行の貸金庫から取り出される、カラリと音がして中に硬い物質が存在するのが想像できるカラフルな金属製のシガレットケース。このシガレットケースは銀行から持ち出された後、隠すように他人の手に渡され雑踏の中を消えてゆく。そして、そのシガレットケースを取り出した老人は、ベンツに乗り込み、やがてシボレーのユダヤ老人と些細なことから口げんかとなり、唖然とするほどの車をぶつけあう醜いカーチェイスが始まる。そして最後には激しい事故で炎上して、車内の炎の中にあの貸金庫の鍵が・・。その光景を眺める公園でマラソンをする青年ベーブ。彼は大学院生で近所の住人から変人扱いされている男で、「レインマン」や「クレイマークレイマー」などで名演技を見せてくれたダスティ・ホフマンが演じています。その個性的で知的な感じと、変人扱いされているその微妙加減、そして一目惚れした女性の落としかたはさすが。ところはパリへと変わり、あのシガレットケースを手にしているのは「ジョーズ」や「ブルーサンダー」のロイ・シャイダー演じるドク。どこかの組織の人間らしく彼の周りには爆弾事件や殺人事件、そして彼自身も命を狙われる状況が続きます。さらにところはウクライナに変わり、豪邸に住み骸骨の置物が数多く置かれた部屋で頭の中央部を剃り上げるローレンス・オリヴィエ演じる謎の老人。そして、ドクと老人はニューヨークへ。と、ここまで一気に物語の伏線が描かれ、ここから登場人物たちの接点が少しずつ明らかになって、一気に目まぐるしい展開へと流れ込んでいきます。ここに、ベーブが一目惚れした外国人の女性や、ドクの同僚、そして謎の三人の殺し屋が加わることで、あのシガレットケースに関係するある真実の周りを作為という霧を立ちこませてサスペンス性を高めています。そしてこの映画のもっとも怖いところは、ある真実をまだ知らないベーブが、拉致されて拷問を受けるシーンです。拷問人は歯医者。拘束されたベーブの目の前には歯科道具が並べられ、そこにはキィーンと唸るドリルも・・。そこからは目を閉じても音声だけで、まるで自分の歯の神経をいじられているかのような心臓に悪い描写で、ギャーッ!そして、命からがらその場を逃げ出しアベベばりのマラソンスタイル(半裸ですが)で逃げ回るベーブ。これがタイトル「マラソンマン」の所以かな。結局、あの真実は人間の強欲の塊。それも恐ろしいほど多くの人間の命が関わり深い念が渦巻いていそうなモノで、その強欲を欲しない無縁なベーブ以外は、まるでその念に食い殺されたかのような結末を迎えてしまったのも、仕方ないのかもしれません。

1976年アメリカ作品。125分。
・出演:ダスティ・ホフマン、ロイ・シャイダー、ローレンス・オリヴィエ、ウィリアム・ディベイン、マルト・ケラー
・監督:ジョージ・シュレジャー
・音楽:マイケル・スモール
・原作:「マラソンマン」ウィリアム・ゴールドマン

【予告編】

 

マッドマックス (Mad Max)



 近い未来、オーストラリアの道をインターセプター(追跡パトカー)を盗んで爆走するナイトライダー。次々と彼の餌食になりクラッシュする警察車両。そこに警官のマックス(メル・ギブソン)が現れナイトライダーを追い詰め事故死させる。しかし、ナイトライダーの復讐を狙うトーカッター率いる暴走族はマックスを狙うために街にやってくる。

 暴走族専門の特殊警察「M.F.P」の追撃用専用車両インタセプターがナイトライダーと名乗る暴走族に奪われひたすら爆走する。ナイトライダーを追走するのは、M.F.Pの警察官らしからぬ、ちょっといかれた連中たちで、掴まえようとするよりは獲物として仕留めようと迫る。そして、荒原を抜けてやがて人がいる地域に入り、その先にはキャンピングカーがエンスト状態、小さな子供がベビーから立ち上がり道路をとことこ歩く、といったやばい状況が待ち受ける中、ナイトライダーは舌なめずりして、その中に突っ込む。そして後を追い避けきれずにクラッシュして全滅する警察官たち。そのやり取りを無線で聞いている一人のブーツを履いた男。手に滑り止めを塗って皮手袋を装着、車のキーを回しエンジンを吹かす。そして向かってくるナイトラーダーに躊躇することなく真正面から突っ込む。この男こそメル・ギブソン演じるマックスで、この冒頭のカーチェイスシーンから一気に映画に引き込まれます。しかし、マックスはハードボイルドのクールな奴ではなく、家族を愛して早朝出勤に奥さんの機嫌を取ろうと怪物のお面を被るような男で、うなる改造エンジンに目が釘付けになる車好き、同僚を殺され受け入れられずに悩む人間らしさを持った、ごくごく普通の男です。このマックスとMFPに復讐を果たそうと付け狙うのは、トーカッター率いる暴走族で、典型的なワルのトーカッターとクールな銀髪のサブリーダーババ、ヤクチュウのジョニーといったワルの中にも個性豊かなキャラを配し、マックス以外のMFPメンバーとの火種も用意して、マックス爆発に至る伏線もはられています。ちなみに暴走族は、メイン人物以外は予算を抑えるために本物らしいです。そして暴走族が一線を越えたことにより、暴走族の復讐に勝るマックスの復讐劇が始まります。運転席の赤いボタンを押すと、ボンネットから飛び出しキュイーンと高速で回転して唸るV8-600馬力エンジンを搭載した黒い改造車。腰にぶら下げた銃身を短くカットした散弾銃。が、彼自体を武器へと化して暴走族を容赦無く、そして身近な人間が味わった恐怖とともに追い詰めてゆくクライマックスへと進みます。この一作目は低予算のため登場する車両数は決して多くはないけれど、改造されたインターセプターのかっこよさと、迫力のあるカーチェイスシーンや死への道に導く追走シーンは当時スゲーと思って観てました。そしてこの映画は近未来という設定で秩序が崩壊して暴走族が我が物顔で悪事を働き、それを阻止するための荒くれ警察が組織された世界で、シリーズ2作目、3作目では更に荒廃した世界を描き出し、70-80年代映画としては世紀末を感じさせる衝撃的な作品でした。

1979年オーストラリア作品。
・主演:メル・ギブソン、ジョアン・サミュエル、スティーヴ・ビズレー、ヒュー・キース・バーン、ジョフ・バリー、ヴィンス・ギル
・監督:ジョージ・ミラー
・音楽:ブライアン・メイ



【この作品をレンタルする】





<マッドマックスシリーズと最新作>
メル・ギンブソン、ジョージ・ミラー監督で更にカーアクションがパワーアップした続編が作られています。核戦争後に暴走族と石油精製所がガソリンを奪い合う中、マックスがガソリン輸送を引き受け輸送トレーラーと暴走族との攻防が凄まじい「マッドマックス2」(‘81)、ある街で支配者(ティナ・タナー)から裏の支配者を倒すように依頼される「マッドマックス/サンダードーム」(‘85)。そして、いよいよ2015年で最新作「マッドマックス/フューリーロード」が公開される予定みたいです。流石にメル・ギブソン主演でないようですが。



カプリコン・1 (Capricorn One)



 人類初の有人火星探査ロケット打ち上げに沸くアメリカ。しかし、打ち上げ寸前に宇宙飛行士は別の所に連れて行かれロケットはそのまま打ち上げられる。実は、システムに不備があり探査が不能と判断した上層部が、映画スタジオで探査シーンを撮影して放送する偽装プロジェクトであった。

 アメリカの人類初の有人火星探査ロケット打ち上げを見守る人々。これから始まるであろう未知の世界への興味と期待で高ぶる様子が見られSF映画へ見ている側を誘う準備は万端。が、突然打ち上げ寸前にロケットの外に連れ出される宇宙飛行士たち。そしてロケットはそのまま打ち上げられ、彼らは別の所に連れて行かれます。その場所は映画スタジオで、中には火星に着陸した探査船と、空間に置かれた司令船。そうSF映画ではなく、偽装SF映画撮影作品なのです。宇宙飛行士たちは家族の命をつかまれて脅迫され、このヤラセ火星探査プロジェクトの茶番に無理やり従わされています。この茶番劇だけでもちろん映画は終わりません。このヤラセプロジェクトは、一部の上層部しか知らない事実のため、スタッフの一人が何かおかしいことに気づいて、知り合いのジャーナリストにその話しをしたことから、ウラを探るジャーナリストとウラを隠す組織とのサスペンス映画に切り替わります。さらに地球に帰還するカプセルが突発事故で消失。地球に帰還したら、こっそり宇宙飛行士たちが乗り込む手筈であっため、急遽軟禁される宇宙飛行士たち。彼らはもちろん、それを察し飛行機を強奪して逃げ出しますが、燃料切れで荒原に不時着。うーむ、簡単には終わらせないね。ここから、逃げる宇宙飛行士たちと、彼らを捕まえようとする組織の2機のヘリとのアクション映画に切り替わります。とはいっても、徒歩で逃げる彼らは、ヘリの敵ではありません・・・でも思わぬ伏兵が登場。このテリー・サバラスが操縦する伏兵が魅せてくれます。といった色々な要素が詰まったSF(?)サスペンスアクション映画でお得感ありです。キャストは、ジャーナリストに最近では「オーシャンズ11」シリーズのオーシャンのサポート役のエリオット・グールド、宇宙飛行士に「ウェストワールド」や「悪魔の棲む家」のジェームズ・ブローリン、アメフト出身で疑惑の事件があったO・J・シンプソン、そしてもっとも味を出しているのは農薬散布業のテリー・サバラスかな。

1977年アメリカ作品。129分。
・出演:エリオット・グールド、ジェームズ・ブローリン、O・J・シンプソン、サム・ウォーターストーン、ロバート・ウォーデン、ハル・ホルブルック、カレン・ブラック、テリー・サバラス
・監督:ピーター・ハイアムズ
・音楽:ジェリー・ゴールド・スミス

【予告編】 【この作品をレンタルする】





<火星映画>
カプリコン1では火星のシーンは映画の中のスタジオ撮影でしたが、実際に火星を舞台にした映画は、アーノルド・シュワルツネガー主演の火星が資源採掘場になっている「トータル・リコール」(’90)、火星に着陸した宇宙飛行士達が遺跡らしきものを発見して不思議な現象に巻き込まれる「ミッション・トゥ・マーズ」(‘00)(宇宙船:マーズ・リカバリー号)、火星に移住するために環境改造をしてその調査に赴く「レッドプラネット」(‘00)(宇宙船:マーズ1)などがあります。どの映画も火星の赤い大地が登場します。
  


激突(Duel)



 セールスマンのデイヴィッド・マン(デニス・ウィーバー)は、商談で車で遠出をしている最中に、前を走るトレーラーを追い抜く。しかしトレーラはその後、しつこくデイヴィットの車を追いかけ命を狙う

 郊外のアメリカらしい住宅のガレージが開き車視点で映像が動き出す。ラジオのニュースをバックにビルが建つ街中を通り抜けて、ハイウェイを抜け、やがてラジオの音声がローカルなDJに変わるころ、民家も店もない荒原へと風景は変わってゆく。そして、ようやく一人のセースルマン風の男が、赤いセダンを時間を気にしながら運転する姿に切り替わる。ここまで何気ないシーンなのに、颯爽と走る車視点のため自分も田舎にやって来たんだなという錯覚に陥るほど自然な映像になっています。そして、前方にゆっくり走るトレーラー。そのトレーラーを追い抜いたために、ここから追われる恐怖が始まります。茶色く汚れ錆びついているけれども、その色合いがトレーラーが持つ重量感をさらに高め、自家用車に比べ物にならない馬力で、体に振動が伝わる低音の轟音を響かせ迫り来る恐怖は計り知れません。その速さをトラックのタイヤ視点、フロントからの視点、運転席とその排気煙の映像、猛スピードで流れる風景、そして乗用車のバックミラーと様々なカメラワークで追われる恐怖を伝えます。トレーラー運転手の映像は、ほんの僅かにジーンズにブーツの足元そして手しか見せず、人が運転しているというより、トレーラーが一匹の獰猛な動物として映し出され、そのフォーンがまるで咆哮のようにも聞こえます。また、ただ猛スピードで追いかけて来るだけではなく、踏み切りで走る貨物に押し当てようとしたり、やり過ごしたと思ったら、トンネルの暗闇の向こう側出口にスーッと現れ停止、そしてライトが点灯して徐々に速度を上げ向かってくる姿は、まるで知性を持った野獣のようでもあります。この単調になりやすい自家用車とトレーラーの追走劇にアクセントを入れて、飽きを感じさせないジェットコースタームビーになっているところは、さすがメジャーになる前でもスティーブン・スピルバーク作品だと感心しました。

1971年アメリカ作品。90分。
・出演:デニス・ウィーバー
・監督:スティーブン・スピルバーグ
・音楽:ビリー・ゴールデンバーグ
・原作:「激突」 リチャード・マシスン

【予告編】




<リチャード・マシスン>
アメリカのSFやホラー作家で映画化作品は、疫病で人類が滅びて一人残された男が吸血鬼と戦う「地球最後の男」(‘54)、「地球最後の男オメガマン」(‘71:主演チャールトン・ヘストン)、「アイ・アム・レジェンド」(‘07:主演ウィル・スミス)、体が縮んでゆく男の恐怖を描いた「縮みゆく人間」(‘57)、格闘ロボットと親子の愛情・友情を描いた「リアル・スティール」(’11)、悪霊が住む家と調査隊の闘いを描いた「ヘルハウス」(‘71)などがあります。原作もまるで映画のような流れに細かい描写でとても面白いです。
   

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jurrin

Author:jurrin
映画大好き人間でやんす。日本映画好きでやんす。新旧問わず好きでやんす。
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