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新・座頭市物語



 故郷笠間へ向かう座頭市(勝新太郎)の後を関宿の勘兵衛の弟安彦の島吉が付け狙い、斬り合いの寸前に市の剣の師匠伴野弥十郎(河津清三郎)が割って入る。市は弥十郎の道場に一緒に戻り、弥十郎の妹弥生(坪内ミキ子)が優しく迎え入れてくれる。一方、水戸の天狗党の残党が知人の弥十郎に近づき、弥十郎の弟子を誘拐して軍資金を得ようとたくらみ、市を巻き込んでゆく。

 三作目からカラーになっただけで、一・二作目とガラッと感じが変わりましたね。モノクロのリアリティで味のある感じから、やっぱりセット感が出てきてしまっているのかな。けれども、市の魅力は更に強くなっています。今回は、居合の師匠、そして水戸天狗党の残党が登場、ってことは幕末の設定だったんだ。そして、いつもモテる市の今回のお相手は、師匠の妹弥生で、またもや女性から求婚されます。いつもは逃げちゃう市が、なんと今回は即座に受け入れちゃうところが、ビックリ。市もヤクザな世界に嫌気がさし腰を据える気になったのかな、でも敵討ちやら、師匠の邪魔が入りやっぱり恋は成就せず、ラストで悲しそうに遠ざかってゆく市の背中はやっぱり永遠に安堵の生活とは無縁なのだと感じさせます。そして、見せ場の居合の腕は作品を重ねるごとに増し、大人数相手の早業の演出と勝新さんの殺陣は惚れ惚れしてしまいます。本当に早い!目をつぶっての逆手斬りの動きは、ただただ凄いとしか言えません。そして今作品から殺陣の効果音が入ったことで更に迫力が増してます。それにしても、心の通じ合った浪人、実兄、師匠とあまりにも身近な人間を斬らざるえない市の運命って残酷すぎだよな。

1963年作品。91分。
・出演:勝新太郎、河津清三郎、坪内ミキ子、須賀不二男、中村豊、丹羽又三郎、真城千都世、近藤美恵子、高倉一郎、武智豊子
・監督:田中徳三
・音楽:伊福部昭

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続・座頭市物語



 関宿の本陣で大名の殿の按摩を頼まれる市(勝新太郎)であったが、その殿は狂人で世間にそのことが洩れないように家来と抹殺を請け負ったヤクザから狙われることになる。そして、一年前に斬りあった浪人の墓参りに笹川に向かうが、笹川のヤクザの元にも市抹殺の仕事の依頼が下される。

 座頭市物語の一年後の設定で、前作のおたねや助五郎親分が引き続き登場します。舞台は千葉当たりの設定で大名のあん摩を頼まれるが、バカ殿であったために世間に風評が広まらないように口封じに武士とヤクザから狙われる話です。市の抜け目ない飄々感、そして暗い過去を持つ嫌世な気分を背負って生きていく姿は哀愁と寂しさを漂わせています。前作で斬った侍のことを真の友人として想ったりする人間らしさは人一倍。そんな市だからこそ、女性にモテる。前作でもおたねにプロポーズされたが、今回も飯盛り女お節が言い寄ってくるモテぶりです。そして今回は怪しい侍と弟分が登場。なんか勝新さんと似ていてキャラが被ってると思ったら、予定通りのキャスティングだということが後からわかります。決して強くもなく立派でもないので、このキャラの存在がわかりませんでしたが、それも納得。この浪人役の城健三郎って、実兄若山富三郎さんなのですね(びっくり)。そして前作ではちょっと不完全燃焼ぎみの居合抜きが、今作では爆発して複数人の敵をあっと言う間に切り倒す凄腕を何度も披露してくれます。座頭市はこうでなければ面白くない!でも、最後のアレは八つ当たりだろ。

1962年作品。73分。
・出演:勝新太郎、城健三郎(若山富三郎)、水谷良重、万里昌代、中村豊、沢村宗之助、柳長二郎
・監督:森一生
・音楽:斉藤一郎

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殺人狂時代





 大学講師の桔梗信治(仲代達也)は、ある日、大日本人口調節審議会という組織の殺し屋から狙われるが、偶然にも返り討ちにしてしまう。しかし、組織は諦めず次々と殺し屋を送り込んでくるが、桔梗は知り合った鶴巻啓子(団令子)と大友ビル(砂塚秀夫)と一緒に反撃に出る。

 いつもは二枚目の恰好いい役が定番の仲代達矢さんが、ビン底メガネの水虫に悩まされる冴えない大学講師を演じ、珍しく違う面が見れる貴重映画と思っていたら、いつの間にかメガネは無くなり(どうやら目もよくなってる)、身だしなみは良くなり、颯爽としてるいつもの仲代さんになってしまいました。まあ、そこはちゃんとした?理由があるので後から無理やり納得しましたが..。映画は大日本人口調節審議会なるものが、いらないと判断した人々を暗殺していくもので、そのターゲットに選ばれた桔梗が偶然か必然かさらりさらりとその攻撃を交わして、なぜか殺し屋たちがやられていくという筋書きで、実は狙われる理由も隠されていたというオチ。一方殺し屋達のボスでマッドサイエンス的な天本さんは、この手の役がピッタリ!正当法で無く、一風変わった攻撃や罠を仕掛けてくるところなどもイイですね。正々堂々と桔梗と対決をする紳士らしさを見せながら、危うくなると奥の手のを使う卑怯らしさもありマトモじゃないキャラを最後まで貫いてくれました。映画としてはストリーもあり、冴えない仲代さんと颯爽仲代さんの殺し屋の対決がが見れ、爆破シーンも岡田喜八監督らしく迫力もあり、途中テンポが落ちて無駄なシーンもありましたが、サウペンスコメディとしては及第点の映画かな。アニメチックのオープニングもこの時代の映画としてはよく出来ていたと思います。

1967年。99分。

・出演:仲代達矢、団令子、砂塚秀夫、天本英世、小川安三、冨永美沙子、久野征四郎、沢村いき雄
・監督:岡本喜八
・音楽:佐藤勝
・「飢えた遺産」(なめくじに聞いてみろ) 都築道夫

座頭市物語





 盲目の居合いの達人座頭市(勝新太郎)は、知り合いの下総のヤクザ飯岡助五郎の所でわらじを脱ぐ。その飯岡は対立中の笹川を潰そうと考えていたが、笹川には用心棒として凄腕の浪人平手造酒(天地茂)いて、なかな手を出せずにいた。そして、市に助っ人を頼むが、市と平手は酒を酌み交わす仲であった。

 座頭市の第一作目ということで、ついつい1989年最後の座頭市と比べて見てしまいました。とにかく勝新さんが若い(当たりまえか)、そして平手造酒役の天地茂さんがシブい。映画はモノクロ映像のため、時代劇という感じが非常に出ているのと、その風景描写がうまい。手前に葦やススキなどをがありそのバックに人が動くことで奥行き感が出てていて、市が助五郎の所に訪ねてくるシーンも屋内から格子を通して外の市をとらえ、そのままワンカットで市が屋内に入りそのまま奥へと入る。そしてラストシーンの山を登る市のバックに小さく映るおたねといった具合に常に奥行きを意識した映像でした。そして座頭市といえば居合い抜きと期待していたのですが、なかなか見せてくれません。最初の居合い抜きは放り投げた蝋燭を半分に斬るシーン。1989年版のように狭いところで多人数をあっとうまに斬り倒すシーンがあるのかと思いきや、思ったほど素早い凄腕には見えず斬るシーンも少ない。平手造酒とのガチ勝負もいまいち。当時の殺陣がまるで空を切る感じなので残念ながら戦うシーン全体的に迫力が無かったですね。

1962年作品。96分。
・出演:勝新太郎、天地茂、万里昌代、柳長二郎)、島田竜三、南道郎、中村豊、千葉敏郎、守田学、毛利郁子
・監督:三隅研次
・音楽:伊福部昭
・原作:「座頭市物語」(随筆集「ふところ手帖」収録) 子母沢寛

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人斬り


 
 土佐の下級郷士の岡田以蔵(勝新太郎)は、土佐勤王党のリーダー武市半平太(仲代達矢)に、その腕を見込まれ京都で暗殺者として使われ人斬り以蔵の異名を得る。しかし、思想も思惑もない以蔵の行動や言動に半平太はやがて見限り、以蔵は無宿人として捕らえられる。

 幕末に人斬りの異名をもった岡田以蔵の人斬り人生記です。うーむ、超貧乏の下級郷士のはずなのに、その恰幅の良さは..勝新さん、そのぷっくら体型は、時代劇には合いませんよ。と思いながらも見進めると、勝新さんのギラギラした眼差しで、思想などもたず野良犬のように生き、人を斬って酒を喰らい女を抱く、だけど変なプライドはある、そんな荒んだ以蔵が目の前にいました。恰幅の良さ何ぞどこへいったことやら、その以蔵オーラーで消し去ってくれてました。そして、もう一人の人斬りは、な、なんと三島由紀夫さんではないですか。実際に割腹自殺をした三島さんが、田中新兵衛として最後に無実の罪をなすりつけられるが何も釈明せず同じく割腹するのは、なんとも言葉には言い表せない映像でした。その鍛えられた肉体で潔よく力強く刃を突き立てる姿は壮絶そのもの。他にもこの映画には、坊ちゃん刈りのような坂本龍馬の石原裕次郎さんが出ています。今までで一番、坂本龍馬らしくないかな(苦笑)。もう一人、以蔵の雇い主の武市半平太役の仲代達矢さんは、この映画の中では、珍しくドンピシャの配役で思想と思惑に固められたガチガチ男を演じています。おっと忘れていけないのは、以蔵の馴染みの女おみのの倍賞千恵子さん。最初は気がつきませんでしたが、その独特の声と色気で、もしやと思いクレジットを見ると、ありましたよ。そして、この映画に欠かせないのは暗殺ですが、侍としての気概が微塵もない以蔵ですから、剣術というよりは、「殺」のみの凄さです。その「殺」が、やがて無宿人というレッテルをはられ「無」へと変わっていく姿は悲しさというよりは、もののけから解き放たれた一人の男として映りました。

1969年作品。140分。
・出演:勝新太郎、石原裕次郎、仲代達矢、三島由紀夫、倍賞美津子
・監督:五社英雄
・音楽:佐藤勝 【OP曲】


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