タイムトラベル映像読本



 あまたの小説、ドラマ、映画の題材となったタイムトラベルを分析して主だった映像作品を細かく解説している本です。
タイムトラベラとは文字通り「時間旅行」で、このモチーフの映像作品には、3つのパターンしかないそうです。

そのパターンは、

 1.現在の人が過去か未来へ行く
 2.過去の人間が現在にやってくる
 3.未来の人間が現代にやってくる

なるほど、なるほど。

 1のパターンなら、幼馴染の運命を変えるために過去に戻る「バタフライ・エフェクト」(2004年米)や空母ミニッツが真珠湾攻撃にタイムスリップする「ファイナル・カウント・ダウン」(1980年米)、テロ事件を防ぐために刑事が過去に飛ぶ「デジャブ」(2006年米)、自衛隊が戦国時代にタイムスリップする「戦国自衛隊」(1979年日本)、かな。

 2のパターンなら切り裂きジャックが現代にやって来る「タイム・アフター・タイム」(1979年米)、古代ローマ時代から風呂設計師が現代にやってくる「テルマエ・ロマエ」(2012年日本)、かな。

 3のパターンなら人類を死滅に追い込んだウィルスの拡散を防ぐために犯罪者が現代にやって来る「12モンキーズ」(1995年米)、未来からやって来る犯罪者を始末する殺し屋「LOOPER/ルーパー」(2012年米)、エンタープライズ乗組員がザトウクジラを求め21世紀にやってくる「スタートレック4故郷への長い旅」(1986年米)、宇宙人の侵略の根源を絶つために未来から少女戦士がやってくる「リターナー」(2002年日本)などがあてはまるかな。

 さらに、3のパターンで同じ時間を繰り返すリピータものなら、人気気象予報士が田舎町で同じ1日を繰り返す「恋はデジャ・ブ」(1993年米)、異星人との戦いで戦死すると出撃前に戻る兵士「オール・ユー・ニード・イズ・キル」(2014年米) 、交通事故後同じ1日を繰り返す「ターン」(2001年日本)などがありますね。
 
 そしてこのパターンに、HOW(どうやってタイムトラベルするのか)とWHY(なぜタイムトラベルするのか)、結果(タイムトラベルで何が起こるのか)が、組み合わさって無限のストーリーが生まれているそうです。
大ヒットした「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズ、「ターミネータ」シリーズ、「猿の惑星」シリーズは、このパターンが複雑に絡み合っているから、展開が読めず面白いのでしょうね。

 本ではタイムトラベル映画の歴史が紹介されていて、世界初のタイムトラベルものは「アーサー王宮廷のコネチカット・ヤンキー」で、なんと1921年制作のサイレント映画。アメリカの技師がアーサー王時代のイングランドに飛ばされる内容で、全部で8作品映像化されている有名な作品だそうです。そして、トーキー時代には、貧乏画家が古風な少女と出会い彼女をモデルにしたことで絵が認められる「ジェニーの肖像」(1948年米)がヒット。カラー時代に入ってH・G・ウェルズ原作の「タイム・マシン 80万年後の世界へ」(1960年米)、「猿の惑星」(1968年米)が続き今に至る、ですね。

そして、タイムトラベルで映像世界に影響を与えた10作品が丁寧に紹介されています。
 「タイム・マシン」(1960年米) 【予告編】
 「タイム・トンネル」(1966年米テレビ)
 「ドクター・フー」(1963年~1989年英ドラマ)
 「猿の惑星」(1968年米) 【予告編】
 「スローターハウス5」(1972年米) 【予告編】
 「タイム・アフター・タイム」(1979年米)
 「ファイナル・カウント・ダウン」(1980年米)
 「ある日どこかで」(1980年米)
 「ターミネーター」(1984年米英) 【予告編】
 「バック・トゥ・ザ・フューチャー」(1985年米) 【予告編】

それにしても、タイムトラベルものは実に多い。違う時空に人を存在させるだけで、アイデアとストーリーが広がりやすいからですかね。

       
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金田一耕助映像読本



最近、なぜか金田一耕助に縁がある。
ふと行った市立図書館にこんな本があるなんて・・ということで拝見。

おーっ、生誕100周年ですか、1913年(大正2年)生まれの100歳のじいさんだそうですよ。

そして、この本では映像になった23人の金田一耕助が紹介されています。
金田一耕助といえば映画では「石坂浩二」さん、テレビドラマでは「古谷一行」さんがすぐに頭に浮かび、ボサボサ頭のヨレヨレ和服で下駄をはいてパカパカ小走りをするイメージが強いですが、この横溝正史原作に近い風貌は、石坂金田一耕助の「犬神家の一族」(’75)がお初だそうです。ちなみに初代は「片岡千恵蔵」さんで、そのいでたちは、ソフト帽にダブルのスーツ姿。さらに美人秘書を連れて拳銃を使い、変装までしてしまう、今見たらお前ダレ?状態な正統派探偵だったみたいです。他にもなんと「高倉健」さんも、金田一でした。そしてもちろんスーツ姿にサングラスでオープンカーを乗り回していたみたいです。是非見てみたい。

では、23人の金田一耕助は、
片岡千恵蔵、岡譲司、河津清三郎、池辺良、高倉健、船山裕二、金内吉男、中尾彬、石坂浩二
古谷一行、愛川欽也、渥美清、西田敏行、三船敏郎、鹿賀丈史、小野寺昭、中井貴一、片岡鶴太郎
役所広司、豊川悦司、上川隆也、稲垣吾郎、長瀬智也
んーむ、なかなか金田一耕助にイメージできない人もいますね。

この本では金田一耕助以外にも、主だった作品を一作一作丁寧に解説してあり金田一ファンそして映画ファンとしては垂涎ものです。他にも石坂浩二さん、等々力署長役の加藤武さん、そして製作スタッフの当時を振り返るインタビューや、ロケ地・金田一耕助ゆかりの地の紹介。おどろおどろしい角川文庫原作の杉本一文氏のブックカバー紹介など、ただただ見ていて飽きないコレクター本となっています。

そしてなによりも面白いのは、複数回製作された作品を取り上げ、原作との違いと、それぞれの作品毎の違いを、登場人物・設定・殺害方法・トリック・動機・時代背景など様々な視点から細かく分析していて、全ての作品を見比べてたくなりました。
分析作品「本陣殺人事件」、「獄門島」、「犬神家の一族」、「悪魔が来たりて笛を吹く」、「八つ墓村」、「悪魔の手毬唄」。



<石坂金田一耕助以前の作品>
古い作品がDVDやビデオ化されているのか探してみました。
残念ながら片岡千恵蔵版と高倉健版は見つかりませんでした。

幽霊男と名乗る包帯姿の凶悪殺人犯と金田一耕助が対決する「幽霊男」('54:金田一耕助=河津清三郎)。


ファッションモデル連続殺人事件の謎を解く「吸血蛾」('56:金田一耕助=池辺良)


ジーパン姿の金田一耕助が登場する「本陣殺人事件」('75:金田一耕助=中尾彬)

【本陣殺人事件予告編】



角川映画 1976-1986 日本を変えた10年 中川右介著



70年代に突然「犬神家の一族」のテレビコマーシャルから始まり、その映画と本と音楽の融合と大宣伝で一世を風靡した角和映画の創立~栄光~翳りまでを記した作品です。中心人物はもちろん、若くして角川書店の社長になり角川映画(角川春樹事務所)の創始者角川春樹氏。そして角川映画に関わった映画監督、原作者、俳優さんたちの当時の様子が描かれて、映画好きには堪らない内容です。特に最初から大林宣彦監督の有名になる前のエピソードが結構挿入されていて、これも興味を引くものです。
角川映画は、イメージ的には世間の話題をさらい、よく売れた映画たちのような気がしますが、実際には意外と興行収入が高くない作品もあり、映画評論家たちには徹底的に酷評されたみたいです。でも当時、角川映画といえば観たい!と思っていた一般観衆からしたら、鮮明に記憶に残る映画たちであったことも確かです。

紹介されている映画は、

「犬神家の一族」(1976年:市川崑監督、石坂浩二主演、横溝正史原作)
1960年代には忘れられていた巨匠横溝正史氏の探偵小説を掘り起こし、映画実績のない石坂浩二さん、往年のスター高峰美枝子さん、ヒット作がない市川崑監督、流行でなかった最後に関係者を集めて「犯人は○○」と解き明かす探偵スタイル、でヒット要素がないといわれていた映画をテレビコマーシャルで一躍有名にさせ文庫本と合わせてヒットさせた手腕。ちなみに、カラー刷りカバーを付けたのは角川文庫からだそうです。


「人間の証明」(1977年:佐藤純彌監督、松田優作主演、森村誠一原作)
本格的ニューヨークロケ。B級映画にふさわしいエネルギーを持っていると起用された松田優作。ハリウッド脇役スターのジョージ・ケネディ(最初のオファーはロイ・シャイダー、テリー・サバラス)。映画主題歌のジョー山中の「人間の証明のテーマ」(逮捕されてテレビに出演できなかったのでレコードが大ヒット)。そして「かあさん、ぼくのあの帽子、どうしたでしょうね」の流行語フレーズで大ヒットした作品。


あとは、懐かしさいっぱいで説明を書きたいですけど、タイトルだけで・・

「野性の証明」(1976年:佐藤純彌監督、高倉健主演、森村誠一原作)
「戦国自衛隊」(1979年:斉藤光政監督、千葉真一主演、半村良原作)
「悪魔が来たりて笛を吹く」(1979年:斉藤光正監督、西田敏行主演、横溝正史原作)
「白昼の死角」(1979年:村上透監督、夏八木勲主演、高木彬光原作)
「蘇る金狼」(1979年:村上透監督、松田優作主演、大藪春彦原作)
「金田一耕助の冒険」(1979年:大林宣彦監督、古谷一行主演、横溝正史原作)
「復活の日」(1980年:深作欣ニ監督、草刈正雄主演、小松左京原作)
「野獣死すべし」(1980年:村上透監督、松田優作主演、大藪春彦原作)
「刑事珍道中」(1980年:斉藤光正監督、中村雅俊主演)
「スローなブギにしてくれ」(1981年:藤田敏八監督、浅野温子主演、片岡義男原作)
「魔界転生」(1981年:深作欣ニ監督、千葉真一主演、山田風太郎原作)
「ねらわれた学園」(1981年:大林宣彦監督、薬師丸ひろ子主演、眉村卓原作)
「悪霊島」(1981年:篠田正浩監督、鹿賀丈史主演、横溝正史原作)
「蔵の中」(1981年:高林陽一監督、松原留美子主演、横溝正史原作)
「セーラ服と機関銃」(1981年:相米慎二監督、薬師丸ひろ子主演、赤川次郎原作)
「化石の荒野」(1982年:長谷部安春監督、渡瀬恒彦主演、西村寿行原作)
「この子の七つのお祝いに」(1982年:増村保造監督、岩下志麻主演、斉藤澪原作)
「蒲田行進曲」(1982年:深作欣ニ監督、風間杜夫主演、つかこうへい原作)
「汚れた英雄」(1982年:門川春樹監督、草刈正雄主演、大藪春彦原作)
伊賀忍法帖」(1982年:斉藤光政監督、真田広之主演、山田風太郎原作)
「幻魔大戦」(1983年:りんたろう監督、平井和正原作)
「探偵物語」(1983年:根岸吉太郎監督、薬師丸ひろ子主演、赤川次郎原作)
時をかける少女」(1983年:大林宣彦監督、原田知世主演、筒井康隆原作)
「里見八犬伝」(1983年:深作欣ニ監督、薬師丸ひろ子主演、鎌田敏夫原作)
「少年ケニヤ」(1984年:大林宣彦監督、山川惣治原作)
「晴れ、ときどき殺人」(1984年:井筒和幸監督、渡辺典子主演、赤川次郎原作)
「湯殿山麓呪い村」(1984年:池田敏晴監督、永島敏行主演、山村正夫原作)
「メイン・テーマ」(1984年:森田芳光監督、薬師丸ひろ子主演、片岡義男原作)
「愛情物語」(1984年:角川春樹監督、原田知世主演、赤川次郎原作)
「いつか誰かが殺される」(1984年:崔洋一監督、渡辺典子主演、赤川次郎原作)
「麻雀放浪記」(1984年:和田誠監督、真田広之主演、阿佐田哲也原作)
「天国にいちばん近い島」(1984年:大林宣彦監督、原田知世主演、森村圭原作)
「Wの悲劇」(1984年:澤井信一郎監督、薬師丸ひろ子主演、夏木静子原作)
「友よ、静かに瞑れ」(1985年:崔洋一監督、藤竜也主演、北方謙三原作)
「結婚案内ミステリー」(1985年:松永好訓監督、渡辺典子主演、赤川次郎原作)
「二代目はクリスチャン」(1985年:井筒和幸監督、志保美悦子主演、つかこうへい原作)
「早春物語」(1985年:澤井信一郎監督、原田知世主演、赤川次郎原作)
「キャバレー」(1986年:角川春樹監督、野村宏伸主演、栗本薫原作)
「彼のオートバイ、彼女の島」(1986年:大林宣彦監督、原田貴和子主演、片岡義男原作)


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