夕陽のガンマン



 西部の町に賞金稼ぎの二人の男(クリント・イーストウッド、リー・ヴァン・クリーフ)が現れる。彼らの標的は、ギャング団ボスの殺人鬼インディオ(ジャン・マリオ・ヴォロンテ)で、二人は協力を約束して抹殺の機会をうかがう。やがてインディオは銀行襲撃の計画で動き出し、賞金稼ぎたちはその計画に乗じてその命を狙うことにする。

 荒野を歩く馬にまたがった男。突然、銃声がして馬から落ち、一気にカメラは荒野に倒れる男を小さく映し出す。そして、軽快な口笛ソングが流れるマカロニ・ウエスタン(イタリア製西部劇)。黒沢明監督の用心棒をパクった「荒野の用心棒」に続く、クリント・イーストウッドとセルジオ・レオーネ監督コンビ作品で、二人の賞金稼ぎと悪党たちの駆け引きと戦いが楽しめる作品です。賞金稼ぎは、雑な皮製のチョッキにポンチョ姿のタバコをふかしたニヒルなイーストウッド。画になります。バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3でマーフィー(マイケル・J・フォックス)が真似したくなるのが分かります(鉄板技は荒野の用心棒ですが・・)。そして、もう一人の賞金稼ぎは、イーストウッドとは対照的に、黒いスーツに身を固め腰でなく前方に銃を斜めにぶら下げ、パイプをくわえたリー・ヴァン・クリーフで、銃身と銃座を伸ばしライフルのように構える姿が様になるシブいガンマン。と、この二人が協力して悪党たちを狙うのですから面白くないわけがない。そして共同戦線を張りながらも、相手を出し抜こうとする駆け引きもさらに面白みを増しています。そして、彼らに狙われる悪党のボスはインディオ。悲しい音色のオルゴールを鳴らして、音が止まったら撃つという相手にもチャンスを与えながらも、その音がいつ止まるのか緊張させビビらせ、確実に相手を仕留めるサディステックな男。やっぱり悪党は癖がなくちゃね。そして、このオルゴールは、ボスのキャクター作りだけでなく、この映画のキーポイントにもなっていて、最後の戦いでは意外なボスと賞金稼ぎの繋がりと結末をも与えてくれます。こんな緊張しそうな映画ですが、イーストウッドのお茶目ガンマンぶりも出てきて、情報を流す代わりに小銭をせびる少年や、汽車の通り道の立ち退き拒否親父とのコメディタッチの絡みも親しみをも感じてしまうイーストウッドならではの魅力でしょう。

1965年イタリア作品。130分。
・出演:クリント・イーストウッド、リー・ヴァン・クリーフ、ジャン・マリオ・ヴォロンテ
・監督:セルジオ・レオーネ
・音楽:エンリオ・モリコーネ




<イーストウッドとセルジオ・レオーネ監督>
この「夕陽のガンマン」以外に、黒沢明監督・三船敏郎主演「用心棒」を西部劇にした「荒野の用心棒」('64イタリア)と、リー・ヴァン・クリーフも登場する「続・夕陽のガンマン」('66イタリア)があります。
 

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鳥 (The Birds)



 サンフランシスコのペットショップで妹のプレゼントの鳥を探す弁護士ミッチ(ロッド・テイラー)は、店内にいた女性メラニー(ジェシカ・ダンディ)を、からかい怒らせてしまう。しかし、弁護士に興味を持ったメラニーは、彼の住む湾岸町の家にこっそり赴き彼が探していた鳥を置いて来るが、カモメに襲われ怪我をしてしまう。その後、ミッチに食事に誘われて町に泊まり、二人の仲は急接近するが、やがて町に異変が起こり始める。

 アニマルパニック映画のパイオニア的存在でサスペンス映画の神様と称されるアルフレッド・ヒッチコック監督作品です。前半は都会のペットショップでのお嬢様と弁護士の出合い、湾岸町でのお嬢様のいたずら心からの恋への駆け引きが描かれ、これがアニマルパニック映画とはまるで思わせない作りとなっています。さらに、ヒッチコック監督らしい登場人物として、弁護士の偏愛的な母親やサバサバしているかのようで未練がある元カノを登場させ、お嬢様と弁護士に絡ませることで人間ドラマの厚みを増しています。そして、そのドラマの間に、いつもより少し数が多く騒がしい鳥たちやカモメのアクシデントをはさみ、ほんの僅かだけ予兆らしきものを見せる程度にして、いきなり後半からは、突然集まり襲い掛かる鳥たち。それも子供達への攻撃。頭にまとわりつき、突きまわり、そして流血。今なら、あまり見せない光景でしょう。さらに大人たちへの攻撃は、衝撃的で熾烈なものとなります。とにかく、ヒッチコック監督の見せ方がうまい!タバコをふかして佇む女性の背中越しに、鳥が一羽、さらに一羽と増えていき。ふと飛んでいる鳥に気づき、その後を目で追って後ろを振りかえると、鳥たちで埋め尽くされている光景。そーっと、そこから逃げるように離れますが・・(サスペンスの王道です)。また、この作品はBGMが一切無いため、映画・ドラマを観ているというよりは、その場にいるかのように錯覚させる臨場感があり、鳥たちの鳴き声や羽ばたき音がその効果を更に高め、鳥たちが襲ってくる原因解明や反撃のプロセスをいれず、襲われる恐怖をただただ体感させることに徹しているからこそ、観終わった後に悪夢として残る秀作といえます。やっぱり、ヒッチコックは面白い。

1963年アメリカ作品。119分。
・出演:ロッド・テイラー、ジェシカ・ダンディ、スザンヌ・ブレシェット、ティッピ・ヘドレン
・監督:アルフレッド・ヒッチコック
・原作:「鳥 (The Birds)」 ダフネ・デュ・モーリア




<アニマルパニック 60-70年代>
動物たちが人間に襲いかかる映画で、ヒッチコック監督「鳥」以降の70年代に多く作られています。「ジョーズ」('75:鮫)のような秀作もありますが、ほとんどがB級の匂いがする作品で、「グリズリー」('76:熊)、「テンタクルズ」('77:タコ)、「ピラニア」('78)、「スクワーム」('76:ミミズ)、「スウォ-ム」('78:蜜蜂)、「オルカ」('77:シャチ)、まだまだあります。多い!

    


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